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  1. 京都府議会 2001-02-01
    平成13年2月定例会(第2号)  本文


    取得元: 京都府議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成13年2月定例会(第2号)  本文 2001-02-26 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 23 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 2 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 3 :  ◯三双順子君 選択 4 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 5 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 6 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 7 :  ◯教育長武田盛治君) 選択 8 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 9 :  ◯大橋健選択 10 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 11 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 12 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 13 :  ◯教育長武田盛治君) 選択 14 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 15 :  ◯警察本部長芦刈勝治君) 選択 16 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 17 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 18 :  ◯林田洋選択 19 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 20 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 21 :  ◯議長小牧誠一郎君) 選択 22 :  ◯教育長武田盛治君) 選択 23 :  ◯議長小牧誠一郎君) ↑ ページの先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1: ◯議長小牧誠一郎君) これより平成13年2月京都府議会定例会を再開し、直ちに本日の会議を開きます。         ─────────────────── 2: ◯議長小牧誠一郎君) 日程に入ります。日程第1、一般質問を行います。  通告により順次発言を許します。  まず、三双順子君に発言を許します。三双順子君。    〔三双順子君登壇〕(拍手) 3: ◯三双順子君 三双順子でございます。私は、日本共産党府会議員団を代表いたしまして、知事並びに教育長にお尋ねをいたします。  質問に先立ちまして、一言申し述べたいと存じます。  去る2月10日、愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」にアメリカの原子力潜水艦が衝突し、沈没させられた事故で、被害に遭われた高校生・先生・乗務員の皆様とその御家族に対し、心からお見舞いを申し上げます。冷たい海の中でいまだ行方不明になっている方々とその御家族の無念な心中を思うとき、私は本当に涙がとまりません。一刻も早い救出に全力を挙げることを強く要求いたします。そして、無法なアメリカ軍の行動に強く抗議するとともに、ゴルフの片手間でこれに対応した森総理には、人間としてまともな神経があるのかと強い怒りを覚えるものです。  また、不況で苦しむ中小企業の皆さんの共済掛金が自民党の工作資金などに20億円以上も流れ込んだとされるKSD汚職、外遊議員のせんべつや飲み食いなどに領収書なし、消費税導入のときの野党工作などに使われてきたとされる官房機密費などなどの事件は、庶民の血税を食い物にし、お金で政治をゆがめる腐敗構造を明らかにいたしました。どちらも自民党政治の末期的な退廃を象徴しているのではないでしょうか。  先日、私が訪問いたしました中小企業の社長さんたちも「国は景気は緩やかな回復傾向だなどといつも発表するが、どこを見て言っているのか。実態を知らなさ過ぎる。これまで自民党を応援してきたが、もう限界だ」と、本当に怒っておられました。ここまで国民を踏みつけにするこんな政治を早く終わらせ、21世紀は国民が主人公と言える新しい日本への道を府民の皆様と御一緒に切り開いていきたいと考えております。  また今日、住民の暮らしや営業を守るために、自治体が果たす役割はまことに重要でございます。先般NHKが、鳥取県が全国で初めて地震による被災家屋に対する住宅再建支援策を打ち出したことを取り上げ、報道をいたしました。私がとても印象的な発言としてお聞きしたのは、鳥取県知事が「復興事業で橋や道路はつくれても、肝心の住民が住み続けられるようにすることが先決です」と発言されていたことです。そして知事は、これからの地方自治のあり方として、「仮に中央の方針に反していても、住民の目線に立って必要なことはやるという現場主義の視点を持つことが地方分権の上からも必要なのではないか」とも述べておられたことです。  昨年の秋には、長野県、栃木県でも、自公保などオール与党推薦候補が敗れ、大型公共事業の見直しを掲げる知事が誕生いたしました。また先般は、府下宇治田原町長選挙でも、自公が推薦する現職町長が敗れ、新しい町長が当選されました。我が党議員団は、かねてから、国の言いなりではなく、地方自治、住民自治の精神を生かし、府民の暮らしを守るための対策を求めてきましたが、知事、あなたは基本的に国の方針の範囲内の対応しかしてこられませんでした。府民が希望の持てるようにするには、地方・地域のことはそこに住む住民自身の手で、住民が主人公の地方自治を進めてこそできます。これまでの態度を改められることが必要だと考えます。  そこで、質問に入ります。  まず、不況対策について伺います。  この深刻な不況のもと、京都経済の中心を担ってきた中小企業が、今、かつてない危機にさらされています。そして重視すべきは、今年1月に倒産した京都府内の企業のうち、旧京都みやこ、南京都のいずれかの信金を主要取引先にしていた企業の倒産が全体の4分の1を占めていることです。  そこで、2信金の事業譲渡に伴う整理回収機構、いわゆるRCCの問題についてです。  今、京都みやこ、南京都信金と取引をしていたというだけで、ごく普通の善良な中小業者や一般市民の債務が、破綻もしていないのに不良債権扱いされ、金融機関の恣意的な選別で回収対象とされています。とりわけ許せないのは、信用金庫の職員が来て、RCCの指定する返済方法に同意を求める「変更承諾書」なる書類を示し、「RCCの心証をよくしておいた方が今後のためですよ」などと言って半ば強制的に判こを押させ、これを押したがために、その人が「一括返済」か「競売」かを迫られていることです。知事はこれまで、中小業者の皆さんの声を十分聞いて万全の態勢で臨んでいるかのように御答弁をされてきましたが、このような実態をつかんでおられるのでしょうか。まずお聞きをいたします。  RCCに対しこのような一括返済や競売を迫る行為を直ちに中止するよう強く求めるべきです。いかがですか。  RCCへの債権譲渡の過程で、十分な説明もされないまま返済行為が中断しているケースがございます。まず、業者に対しRCCの仕組みや手続方法を説明し、誠実に返済する意思を持つ業者に対しては具体的な返済方法を聞き、調整が行われるようRCCに強く求めるべきです。
     さらに、京都中央信用金庫に債権が引き継がれない業者が 3,364件ですが、今年1月末で返済条件の協議がなされたのはそのうちの1割程度にとどまっており、9割が手つかずの業者となっています。これらの業者の返済条件につきましては、協議日程の調整をするとともに、調整が完了するまでは回収行為を一たん中止すべきです。  約定どおりの返済が困難になってきている業者につきましても、事業継続が見込まれる場合は、個々の業者の実情に合った細かい対応をすべきです。その際、昨年12月25日に通産省から出されました、全国の信用保証協会が中小業者に保証を行う際の審査方法を大きく緩和をいたしました2つの通達を運用して、営業や生活を続けながら返済ができるよう、条件緩和を弾力的に行うことを求めるべきです。  もう1つ知事にお尋ねをしたいのは、この深刻な不況のもとで、ますますその重要性、切実さが問われる、中小企業に対する制度融資の問題でございます。  先ほど触れました通産省の既往債務の条件変更の通達を、今困っている多くの中小業者に役立つ措置として、本府としても一層の弾力的な運用を図るべきではありませんか。また、京都府自身としても、今こそ中小業者を救済する措置として、例えば府内中小零細業者が一貫して要求されているマル小融資の融資限度額のせめて 1,000万円までの拡大を今こそ決断すべきと考えます。赤字経営が続き納税要件が満たせないために新マル小を活用できない業者の切実な声になぜこたえられないのでしょうか。お答えください。  銀行の貸し渋りに対応する金融安定化特別保証制度がこの3月末で終了いたします。この延長を国に求めるべきです。あわせて、お隣の大阪府では、特別保証が3月末に終了した場合に備えて融資枠を増額しています。本府も、昨年並みに据え置かず、さらに拡充すべきではございませんか。また、昨年12月21日に通産省が「今後の中小企業信用保証制度の運用について」の通達を出し、一般無担保保証にかかわる第三者保証人を要しない範囲は、当面 5,000万円までとするなど、緩和されています。本府におきましても積極的に活用が図られるよう保証協会に指導すべきです。いかがですか。  次に、京都府北中部における下請中小企業への支援策について伺います。  私は、この間、京都の中部地域を歩き、中堅企業の方々、下請企業の皆さんと懇談を重ねてまいりました。口々に「ここ10年の状況は本当にひどい」「この先、必死に努力してもこれが報われるときが来るのだろうか」と先行きの不安を話されました。同時に、真剣に耳を傾けるべき要望がたくさんございました。そこで、中小企業への支援策について提案し、知事の御所見を伺いたいと存じます。  第1は、府内産業のIT化の支援についてです。  綾部市の中小経営者のお話では、「今後は、京セラ、オムロンなどの大手企業の電子商取引に対応できなければ、地場の中小業者はどんどん切り捨てられる。IT化への対応の度合いで下請企業の序列が入れかわる」と危機感を持っていらっしゃいました。自力でIT機器を導入することができない事業者、社員研修をしたくてもコンピューターの台数も足りず、インストラクターの当てもない事業者など、その実情はまちまちでございますが、京都府北部・中部地域の中小企業がIT化の流れに対応するには、その環境や条件が全く不足しているのではないかということを私は痛感いたしました。例えば「電子商取引」に対応できないで商取引から排除される企業が生まれないように、また生産の技術水準の格差が広がらないように「デジタル・デバイド」、いわゆる情報格差の拡大を防止する具体的対策をとるべきではありませんか。特に、府北部地域における機械金属産業など、中小零細の事業者の実情を一つ一つ丁寧に掌握し、各企業の実情に応じてIT化を支援する府としての対策を緊急にとるべきではないでしょうか。お答えください。  また、中小企業の支援の体制づくりについてです。  先月、府中部のある鉄鋼関係の企業代表にお話を伺いますと、この会社の仕事はバブル期の最高3割にまで仕事が激減したそうでございます。この方は「雇用調整助成金など行政施策はいろいろあるけれども、有効に使われていない。多くの事業者はこうした支援策があることすら知らない。知っていても手続の煩雑さ、申請から実施、報告までの各段階の書類作成が大変で、結局利用しない。行政は、苦しんでいる中小企業にこそ情報をきちんと提供し、親切な援助を行うべきではないか」、このように訴えておられました。ところが、府として中小企業の経営実態にまで立ち入って実情を掌握し、融資・技術・人材・市場の各分野にわたる支援を行う体制が極めて不足しています。少なくとも府中部地域においても、中小企業の皆さんが気軽に利用できる「中小企業支援センター」を開設すべきではありませんか。また、今年度の職員配置でも、「府織物・機械金属振興センター」は「事務事業の点検・見直し」との理由で「職員を減らす」となっていますが、府民の要請に逆行するものであり、逆に充実・強化すべきではありませんか。お答えください。  あわせて、中部にセンターを開設する場合、夜間も開放し、中小企業が利用しやすい運営を行うこと、個々の中小企業が持ち得ない高性能の機器を用意し、製品検査や新たな技術の習得に役立てること、無料でパソコン実習や各種の技術研修会を開くことなどが考えられますが、いかがでしょうか。お答えください。  第3に、府中北部の工業団地立地企業と地元周辺企業との交流についてです。  綾部工業団地でお話を伺いますと、地元企業との下請関係をつくっているのは、グンゼがストッキングの包装紙製作をある地元企業に依頼をしているただ1例のみと伺いました。この下請企業は、グンゼの仕事を受けるために包装技術の開発でもとても苦労されたとお聞きいたしました。知事は、工業団地に企業が進出しても、地元周辺企業への下請など実際には交流が進んでいないということをどのようにお考えになっているのでしょうか。我が党が以前から指摘をしてまいりましたけれども、綾部工業団地の実例は、工業団地への進出企業を誘致するだけの京都府の対策では地元産業の育成にはつながらないこと、地元企業の技術開発への支援にこそ力を入れるべきということを重ねて証明しているのではありませんか。あわせてお答えください。  次に、農業・農村の問題についてお尋ねいたします。これについては同僚議員が質問をいたしますので、私は2点に絞り質問いたします。  今、全国的に野菜の輸入の激増が大問題になっています。輸入量はこの数年間で 3.5倍にふえ、例えばネギは輸入物が9割を占めるという状況です。しかも、商社による年間通じての輸入体制が組まれているために、端境期がなくなるという状態です。このような中で、輸入規制、セーフガードの発動を求める声が全国で広がり、京都でも15市町村議会で意見書が採択されています。政府もようやく、ネギ、生シイタケ、イグサの3品目に限って発動に向けた調査に踏み切りました。ところが、京都府はこの問題について全く傍観的態度をとってきています。知事も、12月議会で「市場の価格変動にはさまざまな要因があり、影響把握は困難」とお答えになっていますが、生シイタケがもろに影響を受けていることは周知の事実でございます。また、生鮮野菜全体が価格低下を来している中で、京野菜だけが別ということはあり得ません。みず菜や壬生菜などのハウス栽培を初め、京野菜が何とか希望の持てる作目になっている京都にとっても重大な問題と思いますが、知事はどうお考えでしょうか。この際、改めてセーフガードの発動、品目の拡大を強く政府に要求すべきと考えます。お答えください。  次に、府内市町村でこれまで成果を上げてこられた「村おこし事業」に関連し、大江町の取り組みなどについて伺います。  ここでは、地酒づくりなどによる村おこしの取り組みが盛んです。多くは「がんばるふるさとづくり事業」という補助金を活用していますが、この補助金は、98年度 5,000万円から、99年度は 3,880万円、今年度は 1,500万円と、2年間に7割も減らされています。これでは、せっかく出ている芽を摘み取ることになります。この事業での補助は2年間であり、その後のフォローなど芽を大きく膨らます対策が必要です。予算の大幅増額、補助期間の延長あるいは補助期間終了後の対策をとるべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、大江町の地酒づくりは「五百万石」という酒米を使っておいでですが、酒米の「祝」は転作として認められているのに「五百万石」は認められていません。地元からの要望にこたえるために、国とも協議して認めるべきと考えますが、あわせてお答えください。  さて、政府与党はこの1月から、お年寄りの医療費を1割自己負担に改悪いたしました。窓口で負担増に驚き、「胃のレントゲンと薬代で 2,000円にもなった。定額制に戻してほしい」などと嘆くお年寄りの姿があちこちで見られます。これに追い打ちをかけるような相次ぐ医療・年金の改悪、介護の負担で、年間2兆円もの社会保障の負担増が高齢者、国民に襲いかかろうとしています。国がこのような冷たい政治を行っているときこそ、府民が安心して暮らせるように、せめて府が援助すべき3つの問題について伺います。  第1に、府民の命と健康を守る上で、あってはならない国民健康保険証の取り上げが、この1年間に府下で激増している問題についてです。  リストラや倒産による失業者の国民健康保険への加入がふえ、本府でも、総人口の4割が国保加入者となっている一方、高過ぎる国民健康保険料・保険税が払えずに、滞納者がふえ続けています。こうした中、本府における資格証明書交付の増加率がこの1年間で42.7%、短期保険証交付の増加率は34.8%と、とてもふえています。全国平均の実に2倍のふえ方です。保険証が取り上げられ、資格証明書が発行されますと、病気で医者にかかった際に、一たん窓口で全額支払わなければなりません。その上、国民健康保険法の改悪により、この4月からは保険料を1年以上滞納した方の保険証取り上げが義務づけられ、その実施が始まりますが、そんなことを許せば事態は一層深刻になります。  そこで、知事に伺います。各市町村では、今年度中に保険料滞納者の短期保険証及び資格証明書の発行に関する要綱の作成を進めていますが、これまで保険証取り上げは悪質滞納者に限っていたものを、高過ぎる保険料が払い切れないという人たちにまで広げることがあってはなりません。国民健康保険事業は市町村の自治事務であり、国が保険証を取り上げようとするような介入はもってのほかです。介護保険導入に伴う国民健康保険法改正の際にも、当時、厚生大臣が「悪質な滞納者以外からは保険証を取り上げるべきでない」と答弁されています。このことを市町村に徹底すべきではありませんか。いかがでしょうか。本府としてこのことを徹底し、国民健康保険法の目的に照らして、保険証の取り上げはせず、各市町村が滞納者の個々の生活実態をよく聞いて、減額免除制度を活用し、生活支援を行うよう指導すべきです。知事の御所見を伺います。  そもそも保険料がこんなに高くなったのは、市町村国保事業への本府の支出金が近畿圏でもかなり低く抑えられていること、加えて、国保料引き上げの最大の原因は、国が自治体の国保事業へ45%国庫支出していたものを38.5%へと引き下げて、加入者と自治体に負担を押しつけてきたことにございます。本府が市町村への支出金の増額を図るとともに、国に対してはこれらを戻すよう求めるべきです。知事の御見解を伺います。  第2に、介護保険ですが、矛盾がいよいよ噴出しています。  65歳以上の保険料徴収が始まった昨年10月以降、1万 5,000円未満の年金受給者の保険料滞納が、府下でも既に多数に上ってきました。この方々を放置すれば介護給付が受けられなくなり、救済措置が急がれます。そのためにも、低所得者の保険料・利用料の軽減についても、これまで「保険制度であり、公平な負担を」といった知事答弁に固執されないで、積極的で柔軟な対応が求められます。昨年10月の保険料徴収以来、自治体独自の減免制度は全国的にもさらに広がっており、府独自の軽減措置を求める声に、知事は「介護保険は市町村事業」と言われましたが、これこそ「地域の自立」の名で、市町村を支援すべき府の責任を棚上げにし、財政負担を最小限に抑えようとするものではないでしょうか。改めて保険料・利用料について、国任せ、市町村任せでなく、支援制度をつくるべきです。いかがでしょうか。  第3に、乳幼児医療費の助成拡充について伺います。  本府が99年3月にまとめた「男女共同参画社会に関する府民意識調査」では、赤ちゃんが生まれる数が減っている理由に、6割を超える方が「子供の教育にお金がかかるから」「経済的に余裕がないから」と答えています。子育てにかかる経済的負担を軽減することは、少子化対策の観点からも重要であり、乳幼児医療費の助成拡充に、子育て世代の大きな期待が集まっています。全国的には、秋田県や栃木県で新たに無料化拡充が進み、東京都の来年度予算では、就学前まで引き上げと所得制限の大幅緩和が行われ、対象となる子供は46万人へと倍増するそうです。京都府下でも、おくれている本府の制度を上回る措置をとっていらっしゃる自治体が既に23市町と過半数を超え、うち11市町では就学前まで無料化を実施されています。  そこで、知事に伺います。市町村がこれだけの努力をしているときに、本府は改善すべきと考えられないのか、知事のお考えをお示しください。  次に、教育問題でお尋ねをいたします。  今、子供たちの世界に広がる「学力の危機」と言われる深刻な事態は、個々の子供の発達とともに、日本の将来にかかわる緊急の国民的課題でございます。国際教育到達度評価学会が38カ国の中学生に行った「国際数学・理科教育調査」によりますと、日本の子供は成績は上位でも、これらの教科を「好き」と答えた子供が最低水準で、改めて「勉強嫌い」が浮き彫りにされました。学ぶことのおもしろさや何のために学ぶのかという意味づけがないのでは、幾らよい成績をとっても本当の学力とは申せません。ここに今日の深刻な「学力の危機」があります。  こうした事態が広がっている大もとには、自民党政府・文部省が「学習指導要領」で押しつけてきた、系統性を欠いた断片的な知識の詰め込み、基礎学力に必要な授業時間の削減、子供の発達や理解を無視した「超過密」のスピード授業などがあります。2002年度からの「新学習指導要領」は、これにさらに拍車をかけるものとなっています。  かつて「学習指導要領」作成にかかわった学者が、「3割の子供がわかればいい」「塾に通うことが前提で、授業がわからないのは当然だ」などと、驚く発言をされたように、子供たちは最初から、落ちこぼされ、受験中心の競争教育に巻き込まれてきました。  すべての子供に基礎的な学力を保障することは、国民の根本的な教育要求であり、憲法と教育基本法が要請している学校教育の基本任務です。学習内容を子供の発達段階に即した系統的なものにするとともに、真に基礎的・基本的な事項については十分な授業時間をとり、すべての子供がわかるまで教える教育への改革が何としても必要でございます。それを保障するためにも、国民の根強い要求である少人数学級の実施が何としても必要です。少人数の学習効果については、日本教育学会も「25人前後を境に大きく変わる」としています。全国市町村教育委員会でも90%以上が少人数化すべきとの調査もあります。教育長は、少人数学級の教育的効果について、どのような評価をされていますか。お考えをお聞かせください。  国は、1学級40人の学級編制基準を、都道府県の判断で少人数学級が実施できるという法改正案を提案しています。40人の編制基準を変えなかったことや、都道府県の運用に財政的保障はないなどの問題点はありますが、国民の強い願いに押された一定の改善策です。  そこで、教育長に伺います。本府でも30人学級の早期実現を実施すべきです。昨年12月、この府議会にも多数の署名とともに請願が出されましたが、与党会派は「府挙げて財政改革に取り組んでいるときに、実情に合わない」などと不採択にされました。しかし、今回の法改正案の提案を受けて、改めて30人学級の早期実施を行うべきです。いかがでしょうか。  また現在、東京や千葉、秋田県などでも独自の少人数学級に踏み出しています。本府も、せめて子供が減っても前年度の学級数は維持する、新1年生からの40人学級はつくらないなど、学級編制の弾力化に踏み切るべきです。お考えをお示しください。  次に、高校教育について伺います。  本府の「府立学校の在り方懇話会」は、昨年末に「中間まとめ」を発表されました。本府は、15年前に高校三原則を崩して類・類型別を導入し、毎年のように改変を加えてきましたが、II類の定員割れや今 1,000人を超える高校生の中途退学者、 1,000数百人に及ぶマンモス化した通信制高校など、現行制度がもたらした矛盾や弊害、学校施設の老朽化などの問題については全く言及されていません。  「中間まとめ」では、「総合学科の増設、特色ある専門学科の充実」「現在の学校数や通学圏の規模を見直すなど、学校の適正規模も定めて、ある程度の再編統合を図るべき」としていますが、これらは新たな学校間格差を生み、府立学校の統廃合を意図するものであることは明らかです。東京や大阪のように、教育に経営効率を優先させた公立学校の統廃合や、私立への身売りなど公教育の責任を放棄する方向ではないかと、保護者や教職員が心配されるのも当然です。経営効率を優先させた統廃合はすべきではありません。教育長として、府立学校の統廃合は考えていないか、この際、明らかにしてください。  教育問題の最後に、去る2月20日、元京都市内梅屋小学校の内藤昭市先生の過労死裁判で、大阪高裁は、荒巻知事が支部長を務めておられる地方公務員災害補償基金京都支部の控訴を棄却し、内藤先生の死亡は公務災害とした一審の京都地裁判決を全面的に支持する判決を下しました。判決の翌日、2月21日はくしくも当時39歳の若さで亡くなられた内藤先生の御命日でございました。遺族の方は墓前に11年間の御苦労を報告されましたが、裁判で勝利しても亡くなった方は帰ってこないのです。基金支部の支部長である知事は、被災者・遺族の救済という地方公務員災害補償法の趣旨に基づき、長期にわたる遺族の精神的・経済的状況を考慮され、上告を断念する姿勢こそ次の犠牲者を出さないことへの一歩と考えるものです。最高裁への上告は直ちに断念されるよう強く求めておきます。  次に、男女平等社会実現に向けた取り組みについて質問します。  我が国で戦後初めて女性が参政権を獲得し、憲法に男女平等がうたわれて半世紀が過ぎましたが、男女の賃金格差がパートを除いても6割という、国際的にも大きく立ちおくれた現状です。21世紀を、男性も女性も人間として尊重され、平等・対等に社会や経済・政治の分野、家庭でも地域でも生き生きと能力を発揮できる社会を実現する時代にすることは、すべての女性、府民の願いです。これまで我が党は、一貫して男女平等と女性の社会的地位向上を目指し、今回の京都府の新しい女性行動計画策定に当たっても、この1月に我が党府会議員団として知事に御要望を提出させていただきました。今回は次の3点について御所見を伺いたいと存じます。  第1に、新女性行動計画を、府内女性の暮らしの向上に真に役立つ計画とすることです。  労働基準法の改悪による女子保護規定が撤廃されてから、女性も男性並みの残業や深夜労働が当たり前となり、府内でも女性の派遣労働やパート化など雇用労働条件は激変し、劣悪なものとなっています。こうした現状から、働きながら子供を生み育てる環境を奪っています。また、京都府内の中小商工業、農林漁業に従事される女性は、生産と営業の大きな役割を担っているにもかかわらず、所得保障、評価の平等にはほど遠いものとなっています。  先日、手がき友禅の仕事を25年されてきた女性が「脳梗塞で寝たきりの夫を介護しながら、夫の障害年金と、手がき友禅が1反 8,000円の染め代にしかなりませんが、その仕事が月に3反から4反しかない。この現状では到底生活ができません。手がき友禅のわざを継ぐ人もこのままではいなくなるのでは」と訴えられました。  中小零細業者の女性は、その働き分が自家労賃として認められておりません。長期不況の中で営業収入だけでは生活できない零細業者の女性の実態調査で、53%の方が営業収入だけでは生活できないとお答えになっています。国民健康保険に傷病手当や出産手当がどうしても必要です。また、農漁業に携わる女性は、所得保障も全く不十分な上に、介護の負担もとりわけ女性の肩にかかっています。このような実態の改善なくして、真の女性の社会的地位の向上とは申せません。新しい行動計画では、こうした働く女性たちの実態把握と、国・府・企業の責任を明記した実効あるものとすべきです。  第2に、女子学生の就職差別についてです。  「募集資料すら届かない」「女子学生の採用は極めて少ない」「セクハラ面接」などが後を絶ちません。就職希望者の内定率は依然厳しい状況です。これらの解決のためにも、労働時間を短くして雇用を創出するとともに、本府でも福祉・教育・防災などの分野での雇用創出が重要です。行動計画にこうした点を盛り込み、施策の実行を求めます。お答えください。  第3に、新しい女性行動計画を実効性あるものにしていく上で、そのよりどころとなる男女平等条例が必要です。昨年末にまとめられた京都府女性政策推進専門家会議の提言にも出されておりますが、早急に条例制定をすべきです。既に東京都、埼玉、三重、山口県に続き、茨城県でも今議会に条例提案がなされ、セクハラや女性への暴力禁止など、地域の実情を反映した積極的な内容となっています。本府条例制定のめどについてお聞かせください。  次に、京都市内高速道路について質問いたします。  まず、環境汚染についてです。  知事は繰り返し、これまで「市内高速道路は交通渋滞を解消し、排気ガスの排出を抑制して環境悪化の防止に寄与する」と述べてこられました。また、昨年9月議会においては「自動車はどこかで走っているのであって、地球に与える排気ガスの影響は変わらない」とさえ答弁されました。これほど時代の流れと逆行し、環境悪化を危惧する住民の世論に敵対する議論はございません。  東京都が昨年1月、ディーゼル車の乗り入れ制限など厳しい排ガス対策を打ち出したのに続き、神奈川、千葉、1月には埼玉県も排ガス一定基準以上の車は乗り入れをさせない方向を打ち出しています。兵庫県尼崎、名古屋市などの公害訴訟判決でも、ディーゼル排ガスの微粒子(DEP)の健康被害を認め、SPMの環境基準の 1.5倍を超える汚染を引き起こさないよう国に命じました。尼崎では、国道43号とその上を阪神高速道路が2階建てで走っていますが、どこでも道路周辺の家はすべて二重窓で、窓を開けるとすぐに床がざらざらになり、靴下は黒くなると伺います。自動車排ガスによる公害認定の患者さんは「洗面器の水に顔をつけたままのような」苦しさを訴えてこられました。住民の方は「裁判で勝ったのはうれしいが、高速道路は一たんつくってしまえば終わり。環境への影響は筆舌に尽くしがたい」と、都市内における高速道路の影響について強調されています。  昨年、京都弁護士会は、京都高速道路について「環境影響評価において、代替案の比較検討の欠如、重要な浮遊粒子状物質がアセスの評価項目に入っていない欠陥アセスである」と指摘されました。道路公団と府・市は、10年も昔に行った環境影響評価を根拠に「問題なし」として市内の高速道路の建設工事を進めてきました。  そこで伺いますが、知事は、こうした全国的な自動車公害の見直しの動きの中でも、「自動車はどこかで走っている。排気ガスの影響は変わらない」などと言って、あくまでも推進の立場にお立ちになるのでしょうか。環境影響調査は、全国の裁判で問題となっている浮遊粒子状物質の測定さえやっていないのですから、「欠陥アセス」が指摘されている以上、今進めている建設工事は即刻凍結すべきでありませんか。さらに、自動車需要に追随して都市内高速道路を建設するというやり方は、大気環境の保全、歴史都市のまちづくり、地球温暖化防止の観点から問題だと断罪をしているのですから、知事はこうした指摘を重く受けとめて、建設中止の決断をされるべきではありませんか。知事の御所見を伺います。  今、国・地方を問わず、公共事業のあり方が問われています。ところが、世界に誇る歴史都市・京都では、知事とその与党である自民党、公明党、民主・府民連合の皆さんが一緒になって、この京都市内の高速道路5路線を建設し、引き入れようとする時代おくれの計画を進めようとしています。  知事は、これまで「財政は厳しいけれども、京都高速道路は進める」と表明されました。また昨年、工法を変更することになったとして新十条通りの総事業費が予定よりも 216億円も膨張し、府が余計に12億円も出資しなければならなくなったことについても「やむを得ない」と答弁をなさいました。しかし、今回の工法変更区域は、真際に鴨川があり、疎水があり、計画段階から鴨川の伏流水などの影響による周辺の地盤沈下などが当然予想された地域です。そこで、本来は事前の厳密な調査を実施されなければならないのに「工事を進めているうちに地層の透水性が見込みより10倍から 100倍も高いことがわかった」などと言うのですから、こんなずさんな見積もりと説明では、到底府民には納得がいきません。公団や府市の「まず建設工事ありき」の姿勢が厳しく問われているのであり、このように、当初は建設費を低く見積もって、実際の工事に入れば工法変更、契約変更を繰り返し、建設費を膨張させていくやり口は、京都市が先刻実施された地下鉄東西線の建設費が当初の2倍になったやり口と同じではありませんか。  事業主体である阪神高速道路公団は、既に平成11年に総務庁行政監察局から「このような今の経営状態が続けば、償還計画の順調な達成は相当厳しい」との勧告を受けています。その上に今、京都高速道路の建設事業費が膨張し、その収支は悪化する一方となっています。こうした道路公団の財政事情悪化に伴い、今後本府の出資比率がどんどん上げられる危険さえ懸念されています。  そこで伺いますが、知事は、財政健全化計画で府民や府職員にリストラを押しつける一方で、市内高速道路建設には幾らかかっても公団が言われるままにお金を出すという姿勢をあくまでおとりになるのでしょうか、お答えください。環境破壊の上に、むだで府財政を破綻させる京都市内高速道路はきっぱりと中止すべきではありませんか。改めてお答えください。  最後に、南区油小路線の測量に当たり、公団が「測量に協力しないなら、損害賠償を求めることになる」とか「土地収用法適用もあり得る」などと、住民への脅迫まがいの態度をとっていることは言語道断です。知事として、こうしたやり方は即刻やめさせるべきです。いかがでしょうか。  次に、市町村合併問題についてお聞きいたします。  市町村合併は、これまで暮らしてきた市町村がなくなるとか、あり方が大きく変わるという住民サービスの低下や社会生活の変化に直結する決定ですから、これほど住民の声を直接聞き、尊重しなければならないものはありません。ところが、今政府が推し進めているのは、極めて強引な合併の押しつけです。合併推進のねらいは明白です。昨年12月の「行政改革大綱」では「行政としての規模の拡大や効率化を図るために強力に合併を推進」することを決定いたしました。自治体の数を減らし、地方交付税を減少させ、住民サービスを切り捨てる、大型公共事業を自治体の責任で一層推進させるなどをねらっているのです。政府は、合併に伴う地方交付税の特例措置や合併特例債の発行を認めるなど、合併促進のための財政優遇策を打ち出す一方、市町村の反対を押し切って、人口 4,000未満の町村に対しては、地方交付税の削減を強行するなど「あめとむち」で強引に合併推進を推し進めています。  大事なことは、合併が本当に住民の役に立つのかどうかということです。全国で進められている合併の結果を見ると、数多くの自治体で「大型公共事業だけが進む、きめ細かなサービスが薄れ、周辺の過疎化が進む」という事態が進行しています。国が財政措置する合併特例債は期限を切られたものであり、「もらえる」ものではありません。新たに多額の借金を抱えることになります。「ごみ・消防などは、合併ではなく広域行政で対応できる」と考える自治体も広がっています。昨年12月の全国町村長大会では「住民の意思を十分に尊重し、強制することのないように」という緊急決議が上げられ、押しつけに反対する動きが強まっています。  そこで、お聞きいたします。知事は、これまで合併について「自主的・主体的な議論が十分に行われることが大切」、一昨年には「全国の町村会が2回にわたって『強制は反対』という決議をし、一番当事者の町村会が十分納得しておられない。こういうときになぜ慌ててこれを進めるのか」と合併に対する態度を明らかにされています。「市町村行財政研究調査会」の研究調査報告書が明らかにされ、26通りの合併案が提示された後、府下の自治体からは「住民の意思が大切。押しつけはだめだ」との声が広がっています。それに反して、今回京都府が合併要綱を提出し、合併すれば財政上これだけ有利になるなどと市町村を誘導すれば、合併の推進に拍車をかけることになります。地方自治を否定するようなことを府は絶対にしてはならないと思います。知事も、自治省の合併押しつけに反対し、合併要綱をつくらず、自由な議論を保障すべきと思いますが、いかがですか。知事の見解を伺います。  最後に、「新京都府総合計画」についてお聞きします。  知事は、この新府総をもとに「新しい世紀にふさわしい魅力ある京都府づくりを進める」とされていますが、本当にそのような中身になっているのでしょうか。  第1の問題は、「4府総」の総括や府民の暮らしの実態抜きに計画がつくられていることです。4府総は、丹後リゾート開発や関西学研都市建設など大型開発プロジェクトで暮らしが豊かになり、地域が発展するかのような幻想を振りまきましたが、それが破綻したのはだれの目にも明らかです。決して高いとは言えない鉄道の電化率や高速道路の整備などを誇っても、府民の暮らしと経済の落ち込みは明白です。多額の税金をつぎ込みながら、丹後での「行きどまりの道路」や「砂のつかないリゾート海岸」などを残し、地元の旅館や民宿の客は誘致したホテルに結局流れてしまった丹後リゾート開発、計画どおりに人口はふえず、基盤整備の負担だけが地元自治体にのしかかり、周辺地域との格差が広がった南部学研開発、国と関西財界言いなりの大型開発を推し進めた結果です。府民や京都経済の実態に目をつぶり、4府総の失敗から教訓を引き出さない「新府総」は、その出発点から間違っていると指摘せざるを得ません。府民意識調査も、平成8年以降行われず、府民の願いや実態は全くつかまれておりません。府民や地域経済の実態の分析なしに新府総がバラ色の将来像を示しても、府民にとっては「空虚」なものとしか映らないでしょう。  第2は、「ソフト重視に転換」できるかどうかです。知事はこれまで、国の財政を使った大型開発・公共事業優先の施策を無批判に進めてこられました。逆立ちした税金の使い方を正し、国言いなりの大型公共事業中心から府民の営業と暮らし第一の施策への転換がない限り、ソフト重視は全くの幻にしかすぎません。新府総では、市内高速道路、迎賓館、学研都市開発、関西空港2期工事など、ゼネコン奉仕の仕事確保はしっかりと書かれておりますが、ソフト重視と言っても、これでは「開発優先」を覆い隠す隠れみのではないでしょうか。  第3は、「自立・自助」「地域の自立」の名のもとで、府が果たすべき責任や財政負担を最小限にとどめようとしていることです。「自立・自助」の言葉は、これまでも福祉や医療を切り捨てるときに必ず使われてまいりました。今回の新府総の中で幾ら「安心・長寿・生きがいの京都」などと言っても、介護保険の保険料・利用料の減免の要求に対し「府と市町村の役割を明確に区別すべきだ」とされる知事のお立場では、府が責任を持つことにはなりません。  そこで、知事にお伺いします。府の責任で行うべき課題の数値目標が定められていないもの、数値はございますがその実現の裏づけが示されていないものがあります。例えば防災対策では、 2,000カ所もある土砂災害危険箇所の解消や医療過疎地域の解消、激増する産廃不法投棄の解消など、府民の命と暮らしに直結する多くの課題の目標は設定されておりません。計画の内容、そして数値目標の設定の改善、充実を急いで行うことを求めます。知事の見解はいかがでしょうか。  次に、「財政健全化指針」を転換することです。既に介護激励金の廃止や障害者団体への補助金の削減、私学助成の削減などが進められ、「行財政改革」で教職員、京都府職員の削減も進めてこられました。新府総が本当にソフト重視と言われるのなら、福祉や医療の切り捨てをやめ、大型公共事業を見直し、府民の命や暮らし、営業にかかわる施策にこそ重点的に予算を回すべきです。また、子育て支援や教育、食糧自給率、環境問題など、「放置できない課題」への重点的な予算の配分こそ求められているのではないでしょうか。知事の見解を伺うものです。  知事さんは、今年度の予算は「種をまく」ものだと説明されましたが、冷たい風にさらされた府民の生活を守る施策がなければ、芽も出てまいりません。府民の暮らしの目線に立った府政への転換を強く要望いたしまして、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長小牧誠一郎君) 荒巻知事。    〔知事荒巻禎一君登壇〕 5: ◯知事荒巻禎一君) 三双議員の御質問にお答え申し上げます。  2信用金庫の事業譲渡についてでありますが、昨年1月の事業譲渡発表の直後から中小企業の皆さんの声をよくお聞きする中で、相談窓口の設置、連絡会議の開催、国や関係信用金庫等に対する要請、貸し渋り特別保証の増額などの対策に京都市や関係機関との緊密な連携を図りながら鋭意取り組んできたところでございます。さらに、整理回収機構(RCC)に対しましても、それぞれの中小企業の実情をよく聞いて、事業を継続できるよう適切な配慮をしてほしいということを、副知事や部長等も含め、繰り返し要請してまいったところでございます。  先日もRCCの鬼追社長さんとお会いいたしまして、私自身からも改めてその旨を強く要請いたしまして、社長さんからも「一件一件それぞれの企業からよく話を聞いて、適切な対応を行いたい」とのお話を承ったところでございます。私も鬼追さんに「世界を舞台にして活躍する大都市銀行の査定条件と同じような条件で、信金と取引のある小さな零細の人との査定をしたのでは全然感じが変わってしまう。とにかく、きちっと返済を滞りなく行い、また事業も行っている、いわゆる正常債務者に対してはちゃんと仕事ができるようにやってくれ」ということも強く申し上げまして、「その点もよく承ります」ということでございました。そしてまた、「RCC送りというのは、どうも言葉が何か『島送り』みたいな感じで非常に悪いので、ぜひそういうイメージを変えてほしい」と言われまして、その後「京都の報道機関関係者にRCCの仕事をもうちょっと理解してもらうようによくお話をするのだ」というふうに言っておられまして、そのときに「京都民報」も呼ぶと言っておられましたので、「京都民報には特によく説明しておいてください」「正確に書くようにお願いしておきますよ」というふうに言っておいたわけでございます。今後とも、引き続き強くいろいろ要請をしてまいりたいと存じております。  なお、RCCに譲渡された債権の返済にかかわる条件変更につきましては、京都信用保証協会におきまして、昨年12月の国からの通知に基づき適切に対応していると承知をいたしているところであります。  マル小制度についてでありますが、これまでからも何度もお答えしておりますように、平成8年度に創設いたしました新マル小が、国の保険制度との整合が図られ、かつ低利( 1.5%)、無担保・無保証人で、最高 1,000万円まで利用できる大変有利な制度でありますので、これの利用を促進しているところでございます。無担保・無保証人の融資制度につきましては、本来納税要件が必要でありますが、不況で苦しむ中小企業の皆さんの実態を踏まえまして、国とも協議の上、全国唯一の例外として、3年間のうち1回でも黒字の年度があれば利用できるよう特段の措置を京都府は行っているところであります。  貸し渋り特別保証の終了に伴う措置についてでありますが、厳しい状況にある中小企業の皆さんの資金需要にこたえられるよう、13年度におきましても引き続き過去最大規模の 1,000億円の融資枠を確保してまいりたいと存じます。足らなければ幾らでも追加をいたします。今までの経験から見まして十分な額だと私は確信をいたしております。また、無担保保証に係る第三者保証人の要件緩和につきましても、国からの通知に沿って実施することといたしております。  制度融資についてでありますが、既に全国に先駆けて平成9年9月から緊急金融対策を実施しているところでございまして、その中で不況業種を対象とした別枠の融資実績が東京をも上回るなど、件数で全国第1位、金額でも第2位という実績を残しておりまして、不況の中で数多くの中小企業の皆さんに御利用いただいているところでございます。  下請中小企業対策についてでありますが、中北部を含め府域全体の支援機関である京都府中小企業総合センターに加え、さらに北部地域の機械金属業界の育成を図るために、昨年4月、京都府織物指導所を「京都府織物・機械金属振興センター」に改組いたしまして、経営・技術両面からの支援体制を強化整備したところでございます。同センターにおいては、関係機関と連携し、地元中小企業のニーズをよくお聞きしながら、夜間や土曜日も含め、研修会や企業研究会の開催、情報化アシスタントの派遣などにも取り組んでいるところでございます。  また、綾部工業団地についてでありますが、現在までに17企業が操業を開始し、1,500人の地元雇用を生み出し、製造品出荷額は約 350億円で、綾部市の総出荷額の38%を占めるまでに至っております。地域経済の活性化に大きく貢献しているものと考えております。地元中小企業との取引も着実に生まれておりまして、さらに増加する方向にあると伺っておりますが、さらに努力をしてまいりたいと存じます。  京都府におきましては、京都府中小企業振興公社北部支所などと連携いたしまして、その拡大に取り組むとともに、発注企業のニーズに対応できるよう、京都府中小企業総合センターや織物・機械金属振興センターにより、技術力の強化に積極的に取り組んでいるところでございます。  なお、織物・機械金属振興センターの定員を1名減員されたとおっしゃいましたが、これは自動車運転員の減でございまして、昨今もうすべての人が自動車の運転ができますし、特に専門の方を1人置いてするというのも時代に合いませんので、みんなでそういうふうな運転業務をやる。しかし、必要な場合の臨時的な仕事についてはちゃんとした臨時も雇い入れるようにするということの中で、いわゆる共産党がおっしゃいます行政改革の中でも住民に負担をかけない内部の努力による行政改革として行っているところであります。  農業・農村問題についてでありますが、京野菜についてはいち早くブランド化に取り組んできた結果、輸入野菜が増加している中でも、販売額は着実に伸び、単価も堅調に推移しているところであります。今後とも市町村、生産者団体と連携して、生産振興と消費宣伝に一層努めてまいりたいと考えております。  セーフガードにつきましては、現在、ネギなどの3品目について政府調査が進められているところでありますが、京都府といたしましても、国に対し機動的、効果的に対応できるよう制度改正などを要望してきたところでございまして、今後の動向も十分注視してまいりたいと考えております。  農家グループなどの自発的な村づくり活動に対する支援につきましては、「がんばるふるさとづくり事業」などにより積極的に進めてまいったところでございます。また、これらの活動を契機に、地域に芽生えました朝市、農林水産物加工などの取り組みに対しましても、各種補助事業によりこれまでから支援をしているところでございます。  酒米の「祝」につきましては、全国的に広く生産されている「五百万石」とは異なり、府内のみで生産・流通をしているために、酒米全体の需要や価格に影響を及ぼさないというところから、特に頼みまして、例外的に転作上の加工用米として認めてもらっているところであります。  国民健康保険制度についてでありますが、保険料の長期滞納ケースに係る資格証明書の取り扱いにつきましては、従来と同様、災害等の発生や事業の休廃止などの特別の事情がない場合に限り交付されるものとなっております。京都府といたしましては、保険者である市町村に対し、被保険者個別の生活実態を踏まえ、きめ細かな納付相談を行う中で、適切な制度の運用をするよう要請しているところであります。  また、市町村の国保財政の基盤安定につきましては、国において退職者医療制度の実施を初め、保険基盤安定制度の創設や地方交付税措置の充実など、順次財政措置が講じられてきているところでございます。京都府といたしましても、国民健康保険が国民皆保険の根幹をなす重要な制度でありますので、引き続き、全国的に見ましても上位に位置している単費助成措置を講じますとともに、国に対しても財政措置の充実について要望をしているところであります。  介護保険についてでありますが、保険料・利用料の減免につきましては、通常5段階に設定されている保険料を低所得者に配慮して6段階とすることや、ホームヘルプサービスの利用料の負担軽減措置、社会福祉法人等の実施する利用料減免などが既に制度化されておりますので、まずはその枠内で工夫をしていただくことが大切ではないかと考えております。  なお、介護保険料の徴収状況につきましては、厚生労働省において全国の76市町村のデータを集計した結果によりますと、昨年12月末時点の徴収率は98.9%でございまして、年金からの天引きを行わないいわゆる普通徴収でも90%を超える状況であり、府内の市町村におきましてもほぼ同じ傾向と伺っております。  乳幼児医療助成制度における対象年齢の引き上げについてでありますが、子育て支援の観点から、平成11年1月に通院についての対象年齢を、入院と同じく3歳未満まで引き上げたところでありまして、その施策の円滑な推進に努めているところでございます。  なお、子育て支援は全国共通課題であるところから、こうした制度は国において総合的な観点から検討され、適切な施策が制度化されることが必要と考えておりまして、国に対してその旨強く要望しているところであります。  新女性行動計画についてでありますが、昨年末に女性政策推進専門家会議からいただきました提言を踏まえまして、今年度内を目途に策定することといたしております。策定に当たりましては、府民意識調査を実施するとともに、府内各地で開催しましたフォーラムなどにおいて、医療・福祉、労働、商工、農林業、教育など、幅広い分野の女性団体や府民の皆様から御意見をお聞きするとともに、京都府のホームページにおいても意見募集を行ったところでございまして、多くの皆様から数々の御意見が寄せられているところであります。これらの御意見や、国が昨年末に策定しました男女共同参画基本計画を勘案いたしまして、男女がともに仕事と子育てを担える環境づくりなどを基本目標に据えながら計画を策定してまいりたいと考えております。  なお、国においては育児・介護休業法の改正等、仕事と家庭の両立を支援するための法的整備がなされてきているところでございます。  次に、女子学生の就職問題につきましては、募集・採用において男女の差別を禁止した男女雇用機会均等法の周知徹底を図ることが重要であると認識をいたしておりまして、京都労働局などとも連携しながら、公正な採用選考についての啓発や新規学卒者の就職面接会の開催などの取り組みを行っているところでございます。また、条例制定につきましては、専門家等の御意見もお伺いする中で、今後検討してまいりたいと考えております。今後とも、近々策定する新女性行動計画に基づき、男女共同参画社会の実現に向け、努力をしてまいりたいと存じております。
     京都高速道路についてでありますが、21世紀の京都の発展のために欠かすことのできない重要な都市基盤施設であり、京都市内の交通渋滞を緩和することによりまして、排気ガスの発生を抑制し、環境悪化の防止にも寄与するものと今でも考えております。京都高速道路は、それぞれの路線において「建設省所管事業に係る環境影響評価実施要綱」により必要な環境アセスメントの手続をとられた上で、適正に事業が進められているものでございます。  工法変更に伴う事業費増につきましては、事前の調査だけでは十分把握することが困難な地質の変化や地下水の状況等に対応して、工事をより安全に施工するためにやむを得なかったものと判断をしておりますが、一方では、阪神高速道路公団に対しまして、かねてから、コストの縮減を初めあらゆる努力により事業費の増嵩を抑制するよう申し入れておりまして、さらに、工法などを変更して工事費に影響するような状況やそういう問題が生じたときには、早期に関係者に説明し、了解することを求めましたり、そういうふうなことにつきまして、知事名の文書をもって強く申し入れているところであります。  京都府といたしましては、引き続き府市協調を基本といたしまして、京都高速道路の整備促進に努めてまいりたいと考えております。  また、油小路線の測量・用地調査を進めるに当たりまして、阪神高速道路公団においては、京都市の協力を得て地元説明会を実施し、住民の意見をよく聞いた上で適切に事業が進められているものと承知をいたしておりまして、先ほどの土地収用法でおどかしたというお話は、これは向こうの方から、話が合わないときはどうなるかということに対して、こういう制度もありますということをお話ししたと、こういうふうに承っております。  京都高速道路について再度アセスメントを実施するようにということをお話しになりましたが、法的には必要がないものとされておりますけれども、公団におかれましては、時代認識のもとに、換気塔への除じん装置の設置や路面の定期的清掃を実施することにより、環境への影響をできるだけ低減できる措置を講じていくということにしておられます。  市町村の合併についてでありますが、私はこれまでから申し上げておりますように、合併は地方自治の根幹にかかわる問題でありまして、市町村や議会を初め、住民の皆さんによる自主的で主体的な論議が十分に行われることが大切であると考えております。また、このような議論が実り多いものとなるためには、議論の土台となるような情報、資料が十分提供されることが何よりも重要でありまして、実際、府内の市町村において議会に合併に関する特別委員会が設置されたり、さまざまな団体による研修会が実施されるのに際しまして、的確な情報提供を求める声が高まってきているのも事実でございます。  こうした中、京都府が全国でも例を見ない京都府方式として、市長会や町村会と共同設置をした市町村行財政研究調査会から、去る2月5日に、合併問題を含む今後の市町村のあり方について研究調査報告が出されたところであります。  京都府といたしましては、この報告の内容を踏まえ、議論の出発点となるような一定の考え方を市長会、町村会とも諮りながら近くお示しをし、市町村や議会を初め、住民の皆さんによる自主的で主体的な論議を一層深めていただけるよう、その支援に努めてまいりたいと考えております。  新京都府総合計画の数値目標についてでありますが、新府総で示した「京都府のめざす将来像」の実現のためには、府民の皆様との協働・連携が何よりも大切でありまして、そのためにはみんなで共有できる具体的な目標の設定が大変重要であると考えております。今回設定いたしました数値目標につきましては、そうした観点から、身近でわかりやすく、また現状と将来との比較ができる統計的なデータがそろっているといった点を基準といたしまして、審議会での意見や指摘を踏まえながら選定を行ったものでございます。 170に上る、全国的に見ましても数多い数値目標を設定し、府民の皆様からも、今までにない試みで、ともに実現していく目標がわかりやすく示されているといった声をいただいているところであります。今後は、この数値目標をもとに、府民との協働をより一層進め、21世紀の魅力ある京都府づくりを進めてまいりたいと考えております。  数値目標のその他、福祉とか公害とかいろいろおっしゃいましたけれども、先ほども申しましたように、数値目標につきましては、現状と将来との比較ができる、その達成度を把握することができる、そういうふうな目標について指標といたしておりますので、おっしゃった点については盛り込んでおりませんが、施策としましては、府民の安心を守る立場から各種の施策をしっかりと行っていくことといたしております。  最後に、大型公共事業中心の施策を見直すべきとの御意見でありましたが、これまでから何度も申し上げておりますように、社会資本の整備はかつての立ちおくれていた社会基盤の水準を取り戻し、府域の均衡ある発展を図るための重要な施策であることを十分踏まえまして、その着実な推進に努めますとともに、保健福祉や教育、環境といった施策につきましても府政の重点課題として位置づけて、積極的にその推進に取り組んでいるところであります。  また、一昨年策定した財政健全化指針におきましては、地方財政基盤の充実強化に向けた国への働きかけとともに、何よりもまず可能な限りの内部改革に取り組むことといたしておりまして、さらに施策の点検・見直しにつきましても、時代の流れに即した施策体系の再構築を図る中で、社会的に弱い立場にある府民に対して十分な配慮を行ってきたところでございます。  今後とも、こうした視点に立って、財政健全化の取り組みを計画的に進めつつ、当面する緊急課題に的確に対応いたしますとともに、新京都府総合計画に基づき、21世紀の魅力ある京都府づくりにつながる施策の積極的な推進に努力してまいりたいと存じております。 6: ◯議長小牧誠一郎君) 武田教育長。    〔教育長武田盛治君登壇〕 7: ◯教育長武田盛治君) 三双議員の御質問にお答えいたします。  学級規模と学習効果の相関についてでありますが、国の調査研究協力者会議の報告によりますと、教員の指導力や児童・生徒の実態、さらに学校運営等の要因もあり、適正規模等に関する定説的な見解は現在のところ確立していないとされ、そのように認識をしているところでございます。府教育委員会といたしましては、現在、教科により複数の教員が協力して指導を行うティームティーチング方式を導入しまして、学習効果を上げるよう努めているところであります。  次に学級編制についてでありますが、第7次教職員定数改善計画におきましては、現行どおりの40人としつつ、従来からの「学級集団イコール学習集団」の固定的な考え方を改めまして、学習集団を工夫しまして教育効果を上げることを主眼とされたところでございます。現在、児童・生徒は基礎学力を身につけるため、その基本となります国語、算数、理科、英語などの教科等につきまして、20人程度の少人数の学習集団を可能にする、いわゆる標準法の改正と予算審議が進められているところであります。府教育委員会といたしましては、一律的な学級編制の弾力化ではなく、国の財政措置を伴うところの学習集団に注目しました今回の国の改善計画の趣旨に即しまして、実効性のある教育の推進に努めてまいりたいと考えております。  次に府立高校の統廃合についてでありますが、在り方懇話会の中間まとめでは、少子化の進行を踏まえ、多様な教育活動の実施にふさわしい学校規模となりますよう再編統合を図るべきとの方向性が示されたところであります。府教育委員会といたしましては、引き続き懇話会におきまして、生徒減少に伴う府立高校の適正規模等のあり方を中心に検討いただくこととしておりまして、その議論を受けまして、府立高校全体のあり方の中で再編統合についても検討することといたしております。 8: ◯議長小牧誠一郎君) 次に、大橋健君に発言を許します。大橋健君。    〔大橋健君登壇〕(拍手) 9: ◯大橋健君 大橋健でございます。今2月定例府議会は、21世紀最初の、 100年に一度の新世紀の出発点となる府議会でありますが、私は、民主・府民連合府議会議員団を代表し、今日の歴史的な激動、激変、かつてない厳しく険しい内外の情勢を乗り越えて、 264万京都府民の暮らしと幸せを守り、明るく希望の持てる新世紀を築くため、京都府政を正しく着実に発展させる基本に立って、当面する重要課題について質問いたします。  まず、今2月定例府会に荒巻知事から提案されました平成13年度当初予算について申し上げます。  提案されました平成13年度当初予算案は、荒巻府政4期目を締めくくる極めて重要な予算でございます。しかし、財政状況は、現在国会において審議が進められている平成13年度政府予算案が、景気回復を最優先とした3年連続の大変な積極予算が組まれたために、借金を伴う巨額の財政出動は債務残高の累増を招き、我が国は、世界の経済大国から、国と地方を合わせて総額 666兆円、国民1人当たりにして 524万円の借金大国、世界有数の借金大国となり、将来にそのツケが回されることに今日大きな不安が広がっているのであります。我が京都府におきましても、長引く景気の低迷により、財政再建団体への転落も危ぶまれる逼迫した財政状況となっております。  こうした中で、荒巻知事から提案された平成13年度一般会計当初予算案は、総額 8,637億 7,000万円で、対前年度比プラス 0.6%と、地方財政計画の伸び率を上回ったものとなっております。その内容はまず、京都府のまことに厳しい財政状況を踏まえ、身を切るような内部改革や施策の見直しに全力を傾倒し、財政の効率化、質的転換に取り組み、その上で、緊急不況・雇用対策、保健福祉対策、環境対策などの緊要な重点課題とともに、「21世紀の京都づくり」に欠かすことのできない社会資本の整備についても平成12年度と同額を確保された上で、つくったものを「よりいかす」観点から、道路、教育、交通安全施設等の生活関連施設の整備に20億円に上る予算が計上されております。厳しい財政状況の中で、府民の暮らしの安全・安心を守ることを最優先として、財源の捻出と配分の両面にわたって、重点、バランス、効率をしっかり取り組まれた見事な予算であると高く評価するものであります。  さらに、我が民主・府民連合議員団が昨年末より要望してまいりました 210項目に及ぶ予算要望につきましても、多くの分野で具体化が図られており、また、府内各地で農林業被害が甚だしいシカ、イノシシなどの有害鳥獣対策についても予算が充実されており、ともに評価する次第であります。  さて、いよいよ新世紀を迎え、21世紀の京都府を築き上げる歴史的な出発点となる重要な時期ですが、今日我が京都府の財政は、大変な努力の積み重ねにもかかわらず、府債残高は1兆 900億円を超える危機的な状況にあります。こうしたかつてない厳しく険しい状況の中にあって、改めて荒巻知事の今後の財政運営の基本方針と御決意をお伺いいたしたいと存じます。  また、地方自治体が今日の財政危機の中で、地方分権時代の役割に見合った財源を獲得しようとして、現在、全国的にも多くの自治体で新しい税の導入が検討されておりますが、我が京都府としては、新税の導入も含め、今後どのような財源確保対策を講じていかれるのかについて、荒巻知事の御所見をお伺いいたしたいと存じます。  次に、昨年の12月28日に最終決定された「新しい京都府総合計画」について申し上げます。  この「新府総」は、これまでの10年間、懸命に推進し、成果を積み上げてこられた「4府総」、第4次総合開発計画の成果を生かし、これに続き新世紀の出発の年である今年から10年間、2010年に向けた「京都府づくりの基本的な指針」となるものであります。この「新京都府総合計画」は、平成10年9月から平成12年12月まで、2年有余の歳月をかけ、平成11年12月に計画中間案、平成12年9月に計画試案をまとめ、12月末に最終決定されたものでありますが、私は、この「むすびあい、ともにひらく新世紀・京都」を基本理念とする新京都府総合計画を積極的に高く評価するものであります。  その第1点は、総数 3,115件に上る幅広く、多くの府民が参加して、意見や要望を結集して策定された「新しい総合計画」である点であります。私も、関係の市・町・商工・農林などの団体と、また、我が会派の協力もいただいて、具体的な意見を強く要望し、加えていただいたことに心から敬意を表し、感謝する次第であります。  評価する第2点は、「京都府の将来像」を5つの柱で提示し、10年後の2010年の府民の暮らしをわかりやすく、 170項目に及ぶ「府民と共にめざす目標数値」として設定されていることであります。  評価する第3点は、「新京都府総合計画」では、計画・施策の推進に向けて重要な7つの課題と方策を示し、約 700に上る事業を、「府民と共にめざす目標数値」に向けて、行政が一方的に進めるのでなく、府民、市町村、民間事業体などとともに、総合的、重点的、効率的に取り組むという点であり、知事と車の両輪である私たち府議会もともに力を合わせて、明るく希望の持てる新世紀の京都府を築くため、この新府総の推進に全力を挙げなければならないと考えるものであります。  質問の第2は、大切な少子化対策についてであります。  申し上げるまでもなく、子供はあすを築く宝物でございます。それぞれの家庭の、ふるさとの、国の大切な宝物であります。世界人口白書によりますと、全世界の子供の数は大変なスピードで増加をしており、その結果、全世界の総人口は、30年後には現在の 145%、50年後には 165%にも達することが推計されるのであります。ところが、我が国においては、子供の数は、戦後の数年と昭和44年ごろからの5~6年を除き、どんどんどんどん長い年月にわたって減り続けているのであります。このまま少子化が進行しますと、あと6~7年で我が国の総人口は減少に向かい、労働力人口も年々減って、それぞれのふるさとも、府も、県も、国も、活力がなくなり、弱体化し、衰退してしまうおそれのある、まことに重大な事態が想定されるのであります。しかし、少子化対策にはペニシリンはない、特効薬はないと言われておりますように、目に見える顕著な成果が上がりにくいのであります。  歴史的に見て、今日までの我が国の歩んできた子育てに関する方針は、戦争中は国を挙げて「生めよふやせよ」が国策でありました。ところが、昭和20年8月の終戦以降は、国民が食べることに、着ることに、住むところに困窮する中で、産児制限が国策として推進されたのであります。つまり、少子化が推進されたのであります。  こうした経過を経て、第1に、結婚しない人がふえたこと、第2に、結婚しても子供をつくらない人、つくっても1人か2人よりつくらない人が多くなったこと、第3に、子供をつくる意志があってもできない人が多くなったことなどによって、少子化が進んでいると思われるのであります。子供を生み育てるにはお金が要ります。経済が大切でございます。しかし、経済だけが絶対ではないと思います。それは、全世界では、我が国よりもはるかに経済的に恵まれない諸国で子供がどんどん生まれ、人口が増加している国が非常に多いことによっても明らかであります。  今日、少子化対策には、国でも重要な課題となっておりますが、我が京都府においては、引き続き避けて通れない極めて大切な課題として、平成13年度予算でも多くの施策が盛り込まれております。  そこで私は、非常に重要と思われる次の3点を強調いたしたいと思います。その第1点は、とうとく大切な子供を生み育てるための意識改革であります。男女共同参画社会を推進し、府民の、国民の意識が変わらなければ、改革されなければ、「少子化」は改善されないと思うのでございます。第2点は、当然のことでありますが、女性の意見、声を広く十二分に聞き、これを生かすことであります。第3点は、もっと幼児教育に視点を置いた子育て支援策を推進することが非常に大切であるという点であります。  幼児教育の重要性については、昨年12月の定例府議会の一般質問で、20年間に及ぶとうとい現場経験を持つ、すぐれた幼児教育のリーダーである我が会派の北岡千はる府会議員が強調いたしましたように、私は教育の原点であると思うのであります。特に今日、青少年の凶悪犯罪等が次から次へと多発しているなど、これまでの教育のルールや意識が破壊されてしまうような危機感の中で「心の教育の充実」「教育改革」が大きく叫ばれておりますが、犯罪や問題を起こしている高校生や中学生などの世代に対する対症療法だけでは、私は本質的な解決にはならないと思うのであります。昔から「三つ子の魂百まで」、また「子は親の背を見て育つ」と申しますが、国際的に権威のある学者や専門医も、胎児から3歳までに人間は脳も肉体も猛烈なスピードで発達すると述べております。人間は一生を通じ、胎児から幼児期に、体も、知恵も、心も骨格をつくり、成長するのであります。したがって、私は幼児教育に視点を置いた子育て支援策の強化が非常に大切ではないかと思うのでございます。  以上の諸点について、荒巻知事並びに教育委員会の御所見をお伺いいたしたいと存じます。  質問の第3は、重要な高齢化対策についてであります。  我が国は、昨年の9月1日現在で、満 100歳以上の国民の数は1万 3,036人、京都府下では 304人に達し、10年間で4倍に増加したのを初め、16年間連続して世界一の長寿国、長生きの国であります。長生きは、長寿は大変すばらしいことです。しかし、一番大切なことは、長生きをして本当によかった、幸福であったと心から実感できる世界一の長生きの国、長寿国にすることであります。  高齢者の数が世界一のスピードでふえ続ける中で、昨年の4月から介護保険が導入されました。  第1点は、この介護保険に関する質問でございます。  介護保険について、我が京都府におきましては、荒巻知事を先頭に、まず31町村分の要介護認定事務を京都府が受託して支援する措置がとられたのを出発点として、介護保険制度を成功させるために、全力を傾注してこられたところであります。そこで、介護保険が導入をされてから約10カ月を経過した今日、京都府としては介護保険制度をどのように総括しておられるか、お尋ねをいたしたいと存じます。  次に、その総括を踏まえ、国に対していかなる改定、改善などの要望を行っておられるのか、またこれから行われるのかについてお尋ねをいたします。  さらに、介護保険を充実、整備するために、京都府としては、今後いかなる措置が必要であるか。また、府下各市町村に対するどのような指導並びに支援策を考えておられるかについて、明らかにしていただきたいと存じます。  第2点は、健康で明るく元気な高齢者づくりについてであります。つまり、介護を要しない、健康で元気な高齢者づくりについてでございます。  「新しい京都府総合計画」でも「健康長寿の京都」を目指し、「安心・長寿・生きがいの京都」づくりが大きな柱となっております。高齢者の多い先進諸国でも、介護を要しない、健康で元気な高齢者づくりを柱にして高齢者対策に取り組んでいる国が多いのであります。私は、老人クラブの大会やシルバー人材センターの総会に出席をしたときには、「人の命には限りがありますが、60歳を過ぎれば年はない。みんな同い年です。病気や手術の後、昔は、一にも安静、二にも安静でしたが、今はリハビリが非常に大切だとされております。私は、病気になる前に、可能な限り常に頭と体を活動させることが大切だと思います。長年の豊かな経験と知識、能力を使って、シルバー青年、生涯現役の気概を持って、明るく元気に活躍してください」と激励するのでありますが、我が国は少子化が大変なスピードで進んでおり、遠からず労働力人口も不足することが想定される中で、介護保険制度の充実、整備とともに「健康で元気な高齢者づくり」を柱とする重要な高齢化対策について、荒巻知事の積極的な御所見をお伺いいたしたいと存じます。  第4の質問は、府民の関心、各市町村の関心が極めて高い、市町村の合併に関してであります。  市町村の合併に関しては、昨年12月定例会における我が会派の熊谷議員の代表質問を初め、各会派の議員からたびたび質問が行われ、私も一昨年、平成11年9月定例会の代表質問を通じて質問を行ったところでございます。今回、私が再び質問を行いますのは、その後も国が市町村の合併に非常に積極的であり、我が京都府においても、国の要請を受けて、昨年の2月に市町村行財政研究調査会が設置され、1カ年をかけて、今月の5日に「研究調査報告書」が取りまとめられ、「京都府下、各市町村の組合せ試案」として、これを資料としながら、各市町村で検討が行われているところであります。  荒巻知事は、今日まで府議会においても、市町村の合併について「地方自治の根幹にかかわる問題であり、市町村や住民の方々の自主性、主体性を基本として論議が高まっていくことが大切である」との見解を述べておられます。私は、まさに至言であると存じます。地方分権の推進、市町村の合併には、最も重要な「税財源」の確保を初め、克服し解決しなければならない大切な多くの課題があります。私は、市町村の合併について、国や府県は援助はしても強制をすることは間違いであると考えるものであります。現在の情勢を踏まえ、改めて今日まで長年にわたり一貫して地方自治に携わり、全国知事会の副会長、リーダーとして活躍されている荒巻知事の市町村合併についての御所見をお伺いいたしたいと存じます。  質問の第5は、府民要望の非常に強い交通網、すなわち道路網と鉄道網の整備についてであります。  道路網と鉄道網の整備はともに公共事業でありますが、国も地方もかつてないほどの危機的な財政状況の中において、公共事業に対しては、大幅な削減・見直しなど、厳しい議論がなされているところであります。私もむだな公共事業はやめるべきであると思います。また、公共事業には、効率性、透明性が強く求められているのであります。しかし、国民の、京都府民の安全を守り、暮らしと幸せを守るための大切な公共事業は、困難を克服しても、可能な限り推進するべきであります。  御承知のとおり、昨年12月の定例府議会には知事から補正予算が提案されましたが、私が委員長を務めさせていただいている建設常任委員会に付託された額は 167億 1,298万 2,000円で、これはすべて道路、河川、下水道等の公共事業でございます。建設常任委員会では、全会派の賛成で原案どおりに可決され、本会議でも原案どおりに可決されました。すなわち、共産党を含む全会派が、京都府民のために大切で必要な公共事業費として賛成したのであります。  しかし、京都府議会の今日までの歴史では、京都府民の暮らしと幸せを守るために、非常に大切な公共事業に、先ほどの質問でもありましたが、たびたび強硬に反対された事実があります。  反対は数多くありますが、代表的なその1つは──具体的に申し上げます、長田野工業団地の建設についてであります。長田野工業団地は、今日の厳しい経済状況の中にあっても、平成12年度当初現在で、総従事員数は 5,038人、総出荷額は 1,617億円、実に福知山市のみならず府北部、さらに京都府のまさに宝物の工業団地でございます。ところが、この宝物の大切な工業団地の建設に、共産党は府議会でも現地福知山でも徹底して反対したのであります。当時、共産党は、配布をした福知山民報でも「反対した立場に責任を持つ、この審判は市民と歴史が下す」とまで断言をしているのであります。  2つには、宮福線の建設についてであります。宮福線は、知事が会長をされる第三セクター北近畿タンゴ鉄道の中核路線であり、現在は電車特急も走る、なくてはならない府民の大切な足であり、京都・大阪への縦貫鉄道として、ふるさとを活性化させる大切な公共交通機関でございます。ところが共産党は、この宮福線の建設が提案された昭和57年6月定例会で建設に反対をしたのであります。私は、会派を代表して本会議で賛成討論を行いましたので、このことは一生忘れないと思います。もし共産党の主張どおりにしておれば、今日、長田野工業団地も宮福線も存在しないのであります。  このように、歴史が冷厳に、かつ明確に示すように、先見性のない独善と無責任な方針や態度では、京都府民の暮らしと幸せを守り、発展させることはできないのであります。私は、道路網と鉄道網の整備は、ともに京都府民の安全を守り、暮らしと幸せを守るための大切な公共事業であると考えます。  まず、道路網の整備についてお伺いいたします。  人間は、道がなくては、道路がなくては、生活をすることができません。荒巻知事は、知事に就任されてから今日までの14年10カ月、とりわけ第4次京都府総合開発計画決定後の10カ年は、道路網の整備を府政の最重点施策と位置づけられ、懸命に、積極的に推進され、着実に成果を積み上げてこられました。我が京都府の南北を結ぶ背骨の役をなす京都縦貫自動車道を初め、府内各地の京都府が管理する重要路線である国道、府道についても、土木建築部、現場第一線の府職員と関係府民が協力をして、整備計画と用地買収を先行させながら、トンネルが掘られ、橋がかけられ、歩道がつくられ、悪いカーブが直され、道路の幅員が広げられる、道路整備事業が懸命に推進されてきたのであります。今日、我が京都府の財政はかつてないほど厳しい状況にあります。しかし、「新しい京都府総合計画」でも明確に示されておりますとおり、府民のために重要かつ大切な道路網の整備は、これからも着実に推進されるのであります。  私は、今後この大切な道路網の整備を重点的かつ効率的に推進するために、次の3点を強調いたしたいと存じます。  第1点は、今後の道路網の整備は、今日まで、第4次総合開発計画の中で事業を進め、いまだ完了せず、継続中の事業及び、ほとんどがこれと重複すると思いますが、新しい京都府総合計画に示された路線に最重点を置くことであります。  第2点は、政令指定都市である京都市に積極的に協力をしてもらうことであります。京都府の南北を結ぶ京都縦貫自動車道の重要な起点地域となる京都第二外環状道路も、京都市の全面的な協力、真の府市協調がなければ、早期の完成が難しいのであります。  第3点は、長い、非常に長い歴史を持つ幹線中の幹線国道、国道9号と国道9号に接続する国道及び府道の改修、整備についてであります。  御承知のように国道9号は、京都、兵庫、鳥取、島根を経て下関まで、総延長 677.3キロに及ぶ広域幹線国道として、府民、国民の生活を守るために、長年にわたり大きな役割を果たしてきたところであります。しかし、今日は、車社会の進展に伴って、国民、府県民から高速自動車道の整備が強く求められ、京都縦貫自動車道、さらに鳥取豊岡宮津自動車道、並びに近畿自動車道敦賀線の建設が懸命に推進されているところであります。  ところが、大阪、神戸方面からの近畿自動車道敦賀線については、福知山市に入る前の兵庫県の春日町から分かれた和田山、豊岡に向かう北近畿豊岡自動車道の建設が着々と進んでいるのであります。これが完成いたしますと、これまで表街道であった国道9号沿いの三和町、福知山市、夜久野町は裏街道になってしまう、町の衰退につながるのではないかと、関係する府民は非常に心配をしているのであります。  今日、荒巻知事が力強く推進していただいている、福知山市始まって以来のまちづくりの大事業、京都府が事業主体となる 370億円の福知山駅連続立体交差事業は、国道9号がしっかり生きていて初めて大きな価値があるのであります。さらに、現在懸命に進められている三和町の京都府北部中核工業団地の建設、企業誘致も、整備された国道9号があってこそ初めて前進し、成功するのでございます。  こうした中で、私は、「新しい京都府総合計画」策定に当たって、関係する市町、経済団体などとともに、また我が会派の協力もいただいて、国道9号の役割を、なくてはならない府民の暮らしを守る広域幹線国道、大動脈として位置づけ、整備の推進を強く求め、計画に盛り込んでいただいたのであります。深く敬意を表し、感謝申し上げます。  現在の国道9号は、側壁にトタンが張ってある夜久野トンネルに代表されるように、歩道の設置されていない区間も多く、カーブの改良されていない危険な箇所も多いのであります。国道9号は国が管理する道路でありますが、福知山には京都府内で2カ所よりない「国土交通省の工事事務所」も設置されており、国に対して強く要望していただくとともに、国道9号に接続している、京都府が管理する重要な国道、府道の整備促進についても強く求めるものであります。荒巻知事の実りある積極的な御回答をお伺いいたしたいと存じます。  次は、鉄道網の整備についてであります。  鉄道は大切な府民の足であり、21世紀は「環境の世紀」と言われておりますが、鉄道は環境にやさしい大量公共交通機関でございます。  荒巻知事は、知事就任以来一貫して鉄道網の整備を京都府政の最重要施策として位置づけられ、先頭に立って懸命の努力を重ねていただき、京都府内の鉄道網の整備は、京都縦貫幹線鉄道である山陰本線、宮福線等の電化・高速化を初め、JR舞鶴線の電化、奈良線の複線化、山陰本線の部分高架・複線化、片町線の高速化、小浜線の電化工事着手など、まさに画期的に前進したのであります。その結果、京都府内の電化率は、昭和60年に18.3%であったのが、現在では実に90.5%と飛躍的に前進したのであります。さらに来る3月3日には、奈良線京都-木津間の高速化・複線化事業が完成し、開業記念式典が開催されるのでございます。荒巻知事を初め、JR西日本など関係の皆様の今日までの御努力、御尽力に対し、府民の皆様とともに衷心から感謝申し上げる次第であります。  したがって、京都府のこれからの鉄道網整備の最重点は、山陰本線の複線区間の延長であります。  改めて申し上げるまでもなく、山陰本線は、亀岡以北の府民の大切な公共交通機関であるとともに、京都府民であり京都市民である多くの住民の大切な公共交通機関であります。さらに、全国から京都府を訪れる国民の重要な公共交通機関でございます。平成13年度の国が提案する予算案の中に、整備新幹線の建設事業費として 2,293億円という巨費が計上されていると伺っておりますが、私は、整備新幹線の建設よりも、国民のために重要な在来線である山陰本線と奈良線の複線区間の延長の方がはるかに重要かつ大切な公共事業であると信ずるものであります。  こうした状況の中で、今定例府会に知事から提案された平成13年度当初予算には、山陰本線京都-園部間複線化の調査設計費1億円が計上されております。荒巻知事から待ちに待った大事業が提案をされたのであります。私は、昭和50年に府議会に出していただいてから今日までの26年間、山陰本線の複線化・高速化を一貫して訴え続けてきた者の一人といたしまして、関係府民の皆様とともに新世紀を築く荒巻知事の御努力と御決断に対し、衷心から敬意を表し、感謝申し上げる次第でございます。  さらに、2カ年有余の歳月をかけてこのたび決定されました「新しい京都府総合計画」においても、京都府が目指す山陰本線の複線化・高速化の推進は、これまでは「京都-園部間」でございましたが、関係の市、町、商工会議所などとともに、我が会派の協力もいただき、粘り強く意見を主張し、要望いたしました結果、舞鶴線の電化完成、小浜線の電化工事着手も受けて、初めて「京都-園部間」に加えて「園部以北」の複線化促進の方針が決定されたのであります。重ねて、荒巻知事に対し深く敬意を表し、感謝申し上げる次第でございます。  そこで、今定例府会に調査設計費1億円を計上して提案されました山陰本線京都-園部間の複線化事業の具体的な内容と今後の見通しを初め、21世紀の京都府民のために極めて大切な、重要な鉄道網の整備に対する荒巻知事の意欲的、積極的な御所見を改めてお伺いいたしたいと存じます。  最後の質問は、この世の中で何よりもとうとく大切な人間の生命にかかわる質問であります。  今日、何物にもかえがたい、地球よりも重い大切な人間の命が、毎日毎日大変な数が失われております。  その1つは交通事故であります。  交通事故の防止対策については、今日まで長年にわたって懸命の努力が重ねられ、昨年の11月27日には、荒巻知事から、交通死亡事故多発「非常事態宣言」も発令されたところでありますが、改めて交通事故防止対策の強化について、お伺いをいたします。  2つ目は、近年大変な勢いで増加している、とうとく大切な命をみずから絶つ自殺であります。  自殺者の数は、20年前の昭和56年当時は1年間に全国で2万 434人、我が京都府では 440人でありましたが、3年前の平成10年から急激に増大し、全国では一挙に3万人を突破し、京都府でも 600人を超えて、昨年平成12年には 696人と、全国も京都府も3年前までの 1.5倍に増加したのであります。  私は、20年前の昭和56年6月定例府議会で、自殺防止に関係のある「京都いのちの電話センター」の開設支援について一般質問を行ったところでございます。「いのちの電話」は、現在の病める社会が進行する中にあって、人間関係が疎遠となり、身近に「よい相談相手」が得られず、ひとり悩みながら「生きる力」を失いつつある人たちが、お年寄りにも、青少年にも、さらに近年は厳しい経済不況の中で働き盛りの40代、50代にも非常に増加しているのであります。このような現状の中にあって、ひどい孤独に悩んでいる人たち、また危機的な人たちが「自分の力でたくましく生き抜いていける」ように、特定の思想や信条等に偏ることなく、「一人一人の命を何よりも大切にする人間尊重の精神」のもとに、2カ年の訓練を受け、立派に認定された無給の電話相談員、ボランティアの皆さんが、温かい「心のダイヤル」、危機を救う「心の 110番」を通じて助け合う、とうとい市民運動であります。  「いのちの電話」は、国際的にも2つの大きい連盟組織がありますし、我が国でも多くの都道府県が加盟する「日本いのちの電話連盟」が結成され、国際的な組織にも加盟して活躍しております。  我が京都府における「京都いのちの電話センター」は、昭和56年4月に、日本自殺予防研究会の副会長であった京都大学の石井完一郎先生を初代理事長として開設され、2代目の理事長は、奥田東先生が受け継いでいただきましたが、お二人はその後亡くなられ、現在の理事長は、京都文教大学学長の樋口和彦先生でございます。「京都いのちの電話」が活動するための諸経費についてはすべて無給で、交通費と、1年目は年額5万 2,000円、2年目は年額2万 2,000円の養成受講料を自己負担しながら活動に参加していただいている電話相談員、ボランティアの皆様と、在京各大学挙げての専門家の御協力、また多くの府民の皆様が加入し、協力をいただいている「京都いのちの電話」の後援会である「千人会」の会費、さらに京都府からは、厳しい財政状況の中から昭和57年度には「京都いのちの電話センター」開設のための助成費として臨時的に 200万円、昭和63年度からは、電話相談員の継続、研修、助成費として年額 100万円、平成2年度からはこれを年額 200万円に増額して助成されているところであり、心から敬意を表するものであります。  「京都いのちの電話」は、開局以来今日までの20年間、非常に大きな使命と役割を果たし、今年の1月31日までの総受信件数は35万 4,146件であります。御承知のとおり、今日における自殺者の容易ならざる増加の状況の中で、国においても、平成13年度当初予算案の中で、自殺防止対策が講じられていると伺っているところであります。  そこで、我が京都府下における自殺者の状況とその内容、さらにこれに対応する対策について、荒巻知事並びに警察本部長の御所見をお伺いいたしたいと存じます。  私の質問は以上でございますが、新しい世紀に入りましても、内外の情勢は、全国民を怒りと不信で包んだ宇和島水産高校実習船のアメリカ原子力潜水艦による衝突沈没事故、政治不信のきわみとも言うべきKSD事件、外務省機密費横領事件を初め、政治も、経済も、社会も、天災も、人災も、犯罪も、何が起こるかわからない、まさかまさかの時代が続いており、こうした中で、今年は重大な参議院選挙、来年の春には知事選挙が行われるのであります。しかし、厳しく険しいときほど、 264万府民は、京都府政に対しまして、荒巻知事に対して大きな期待を持つのでございます。どうぞ健康に十分留意されまして、 264万京都府民の暮らしと幸せを守るために、誇りと自信を持って一層積極的に、着実でたくましい御活躍を賜りますよう、心から切望する次第でございます。  私たち民主・府民連合府議会議員団も、荒巻府政の与党会派といたしまして一層心を引き締め、「きびしさに、克ちて歩まん、新世紀」の決意新たに、一日一日を誠実に、全力を尽くすことをお誓いいたしまして、私の代表質問を終わります。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 10: ◯議長小牧誠一郎君) 荒巻知事。    〔知事荒巻禎一君登壇〕 11: ◯知事荒巻禎一君) 大橋議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、平成13年度当初予算に対し高い評価をいただきまして、また私に対しましても温かい激励を賜りまして、ありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  それでは、御質問にお答え申し上げます。  まず、今後の財政運営についてでありますが、新しい世紀の出発点となる平成13年度の予算編成に当たりましては、現下の極めて厳しい財政状況を踏まえまして、財政健全化に向けた取り組みを計画的に進めた上で、不況・雇用対策や保健福祉対策など、当面する緊急課題に的確に対応するとともに、さきに策定いたしました新京都府総合計画に基づく魅力ある京都府づくりにつながる施策に対して、効果的かつ効率的に財源を配分するなど、予算の編成に最大の意を払ったところでございます。  また、御指摘のとおり、平成13年度末の府債残高は1兆 900億円に達する見込みとなりましたが、この残高の中には、今年度創設された臨時財政対策債のように、本来なら地方交付税で措置されるべきところを、今年度から国の財政事情によって創設されまして、後年度地方交付税で措置される前提で地方債に振りかえられたものもございまして、こういうふうな特別事情がありましたり、また従来から御説明いたしておりますように、後年度に地方交付税で措置されることとなっている優良な地方債を数多く含んでいるところでございまして、京都府の実質的な負担は残高のおおむね半分程度にとどまっているところでございます。  そして、いつも申し上げますように、地方債を侮ってはいけませんけれども、現状の中で京都府の置かれている地方債における全国の位置というものも私は十分に承知して財政を進めていきたいと思っておりますが、平成11年度、最新のデータによりますと、京都府の公債費比率は13.4%、歳出に占める割合が13.4%と、全国平均が17.3%でございまして、かなりまだ低うございまして、全国47都道府県の中で、低い方から8番目に位置をいたしております。また、人口1人当たりの府債残高も41万 3,000円となっておりまして、全国平均が60万 9,000円となっておりますことと比べますと、約3分の2という状態でございまして、全国の低い方から6番目という状態でございます。地方債を侮らず、また恐れずという立場でやっていきたいというふうに思っております。
     全体といたしましては、今回の予算編成を通じ、財政の健全化は一歩一歩着実に進んできていると考えておりますが、今後退職手当などの人件費や公債費といった義務的経費の増加が見込まれるところから、気を緩めることなく、引き続き財政健全化に向けた取り組みを計画的に推進しながら、21世紀にふさわしい京都府づくりに積極的に全力を尽くしてまいる決意でございます。  今後の財源確保についてでありますが、現在の地方税財政制度を抜本的に見直しまして、地方歳出と地方税収入のいわゆる乖離を縮小して、地方分権時代にふさわしい地方財政基盤を制度的に確立することが最も重要な課題であると考えております。したがいまして、新税の導入に関しましては、単なる財源対策としてではなく、一定の政策効果を求める観点からの税の活用を検討することはあるといたしましても、財源対策を主目的とする京都府独自の新税につきましては、府民に新たな負担を課することになることを十分認識いたしまして、慎重に対応すべきものと考えております。  今後とも、こうした観点に立って、国に対して地方財政基盤の充実強化を強力に働きかけるとともに、徹底した内部努力や、真に地域振興や社会的に弱い立場にある方々のために配慮した施策への見直しなどの取り組みによりまして、財政の健全化と行政の適正化を着実になし遂げてまいりたいと考えております。  少子化対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、意識改革は大変重要であると考えておりまして、男性、女性がともに子育てを担うことができるよう、少子化の背景にある職場や家庭での固定的な男女の役割分担意識や職場優先の企業風土の是正に向け、KYOのあけぼの大学や企業向けセミナーを開催するなど、いろいろな機会に啓発に努めているところでございます。また、若い世代が子育ての意義や喜びに触れ、意識改革が図られるよう、高校生などが地域の幼稚園、保育所などで幼児との触れ合いや交流を経験する機会づくりなどを支援してまいりたいと考えております。また、広く女性の御意見をお聞きすることは、少子化対策を府民全体で推進するためにも大変重要であると考えております。  こうしたことから、例えば少子化対策の重要な柱の一つである子育て支援につきましては、京都府子育て支援を考える懇話会の委員の半数を女性の方になっていただき、さまざまな視点から貴重な御意見をいただく中で、これを施策に生かすよう努力をしていきたいと存じております。  幼児教育に重点を置いて子育て支援をすべきであるというお話でございますが、お説のとおり、私も幼児教育が重要だと思っておりまして、平成13年度予算案において、私立幼稚園が複数の教諭により協同して、よりきめ細かな指導に当たるティーム保育推進補助制度を新設するなど、幼稚園における幼児教育の一層の充実に努めますとともに、地域子育て支援センターなどにおける「子育て相談事業」や、親子で府立の施設を利用する場合に利用料を減免する「親子のふれあい推進事業」など、子供の健全な心身の発達が保障される子育て環境の確保に積極的に取り組んでいるところでございます。また私も、御指摘のように、家庭での幼少期の基礎的なしつけの確保ということが極めて重要な問題であると考えておりまして、府民の皆様にもぜひこの点を御理解いただきたいと存じております。  いずれにいたしましても、少子化対策につきましては、新京都府総合計画において「京の子ども、夢・未来」創造プロジェクトとして府政の重要課題に位置づけたところでありまして、今後、家庭や学校、地域、企業などと連携、協力して、総合的に必要な対策を推進してまいりたいと考えております。  介護保険制度の現時点における総括についてでありますが、要介護認定や事業者指定の状況、さらには介護サービスの利用状況などから判断いたしまして、総じて大きな混乱もなく出発、運営できているものと考えております。これは、保険者である市町村を初め、介護支援専門員などの関係の方々の御尽力と、制度の具体的な運用に当たっての府民の皆様方の御理解、御協力によるところが大きいと感謝をしているところであります。今後とも、市町村などとも連携して、特別養護老人ホーム等の介護サービス基盤の整備を一層促進するとともに、サービス利用者などからの相談に応じる介護相談員の派遣や配食・外出支援サービスなど、市町村が実施する事業を積極的に支援して、制度の円滑な運営に努めてまいりたいと考えております。  さらに、介護サービスの質の向上を図ることも重要であるところから、来年度は介護支援専門員や痴呆性高齢者の介護職員の方々などに対する研修を充実いたしますとともに、訪問介護やグループホームなどにおけるサービスの評価基準の設定などに取り組んでまいりたいと考えております。  国に対しましては、従来から低所得の方々への配慮などについて要望を行ってきたところでありますが、引き続き、市町村などの御意見も踏まえ、要介護認定の簡素化や効率化、適切な介護報酬の設定等に関して必要な要望を行ってまいりたいと考えております。  健康で明るく元気な高齢者づくりについてでありますが、京都府といたしましては、市町村と連携しながら、生活習慣病の予防など健康づくりを積極的に進めるとともに、来年度から新たに高齢者の自立した生活を支援するために、地域におけるリハビリテーションのシステムづくりに取り組んでまいりたいと考えておりまして、今議会に必要な予算をお願いしているところでございます。  65歳以上の方で介護を要する方は12~13%でございますので、逆にいきますと、90%近い方がいわゆる元気老人であるというふうに存じます。高齢者の方々が豊かな経験と知識、技能を生かして、生きがいを持って社会参加ができるよう、財団法人京都SKYセンターなどを中心として、地域の仲間づくりやボランティア活動など、多彩な活動を応援いたしますとともに、第2の現役世代として意欲のある高齢者がその能力を生かすことができるように、シルバー人材センターなどを通じ、多様な働く場の確保に努めることといたしております。今後ともこうした取り組みを進めることにより、新京都府総合計画の「安心・長寿・生きがいの京都」創造プロジェクトを積極的に推進してまいりたいと考えております。  市町村の合併についてでありますが、本格的な地方分権時代を迎え、21世紀を見通した府内市町村のあり方を考えるとき、市町村の行財政基盤の充実強化は大きな課題であると認識をいたしております。全国的にも市町村合併に関する議論が盛んになってきているところでありますが、私は、繰り返し申し上げておりますとおり、合併は地方自治の根幹にかかわる問題として、地方自治の本旨を失わずにどう市町村の行財政基盤を強化するか、そういう観点などから、市町村や議会を初め住民の皆さんによる自主的、主体的な議論が十分に行われることが大切でありまして、またそのためにも必要な情報が十分提供されることが極めて重要であると考えております。  こうした観点から、京都府では、議員御指摘の市町村行財政研究調査会を、全国では例を見ない市長会、町村会との共同方式で設置したところでございますが、去る2月5日に公表された研究調査報告では、合併や事務の共同化に関する検討にとどまらず、地方税財源の充実・確保や住民自治の充実といった地方自治のさらなる推進に向けた方策など、今後議論を進める上で必要な事項が十分盛り込まれているものと認識をいたしております。  京都府といたしましては、この報告内容を踏まえ、市町村や議会、住民の皆さんによる自主的、主体的な議論の出発点となるような一定の考え方を、市長会、町村会と諮りながら、近くお示しするとともに、平成13年度当初予算案に計上させていただいております「21世紀の市町村づくり事業」などにより、市町村のあり方に関する地域の自主的、主体的な取り組みに対して必要な支援を進めてまいりたいと考えております。  最近ある方から聞いたのでございますけれども、「現在の市町村合併は五右衛門ぶろのお湯と同じだ」と、こういうことを言われまして、それは上の方、国だけがあつあつになっているけれども、下に行くほど冷えていて、底はまだ水だということだということでございます。やはり底から熱くする方策がどうしても必要だというふうに思うわけでございまして、急がば回れ、基礎から固めていくことが定法ではないかと私は常に思っておるわけでございます。  道路網の整備についてでありますが、4府総の成果を十分に活用しながら、新京都府総合計画に示された路線の整備を進めることといたしておりまして、京都縦貫自動車道など高速交通体系の整備はもとより、国道9号を初めとする国道や府道など、府域内や隣接府県との交流、連携を促進する幹線道路の整備が重要であると考えております。  また、京都第二外環状道路の事業促進を図るためには、議員御指摘のとおり、政令指定都市である京都市を初め、沿線の市や町と十分連携していくことが大変重要であると認識をいたしております。  国道9号の整備につきましては、国土交通省において現在福知山駅南土地区画整理事業等にあわせて4車線化の拡幅事業を進めるとともに、老朽化した夜久野トンネルをオープン化し、歩道を整備する事業を初め、5カ所において歩道設置事業が実施されておりまして、京都府といたしましても引き続き事業の促進を強く要望してまいりたいと考えております。  また、国道9号に接続する国道や府道につきましても、現下の厳しい財政状況のもとではありますが、一層の効率的、効果的な事業執行に努めまして、順次整備を進めてまいる所存でございます。  鉄道網の整備についてでありますが、これまでから府政の最重要施策の一つと位置づけ、JR西日本の全面的な協力を得まして、沿線の市町とも連携のもと、国鉄OBの大橋議員を初め、府議会の積極的な御支援をいただきながら、京都縦貫幹線鉄道構想に基づく鉄道整備に取り組んできたところでございまして、引き続き全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。  このような中で、永年の悲願であり、最大の課題であります山陰本線の複線化につきましては、府民の熱い要望を踏まえ、JR西日本に対し強く要請を重ねてまいったところ、JR西日本においては、京都府の熱い思いをお酌み取りいただきまして、京都-園部間の複線化事業について実施の意向が得られまして、今議会に調査設計費1億円をお願いした次第であります。京都府といたしましても、心より感謝を申し上げているところであります。  なお、総事業費につきましては、概算約 270億円程度、また事業期間につきましてはおおむね5年程度が見込まれるものと考えておりまして、平成17年度末にも完了をと願っているところであります。引き続き、京都市を初め、沿線市町ともより一層連携を深めまして、着工に向け具体的に努力をしてまいりたいと存じております。  交通安全対策についてでありますが、昨年の京都府内の交通事故による犠牲者は、府民の願いや多くの関係者の御努力にもかかわらず増加に転じまして、極めて憂慮すべき事態となったところから、京都府で初めて交通死亡事故多発非常事態宣言を発令するなど、その対策に懸命の努力を重ねたところであります。  交通事故の防止を図るためには、府民の皆様一人一人に、命のとうとさを再認識し、他人を思いやる交通マナーを実践していただくことが重要と考えております。このため、私が会長を務めております京都府交通対策協議会におきまして、各シーズンの交通安全運動に加え、交通情勢に即応した交通安全キャンペーンに適宜取り組みますとともに、参加・体験型の啓発を実施するなど、創意工夫しながら交通事故防止対策の充実に一層努めてまいりたいと存じます。  さらに本年度には、府内市区町村すべてに交通対策協議会などが設置されましたところから、これらと十分連携しながら、地域の情勢に応じた活動を強化してまいりますとともに、新たな交通安全計画を策定するなど、安心・安全な交通社会の実現に全力で取り組む決意でございます。  最後に、自殺の防止についてでありますが、人の命は何物にもかえがたいとうといものであり、自殺を未然に防止することは極めて重要であると考えております。生きることに希望を失わず、精神の安定を保つためには、健康的な生活に留意し、ストレスをためないことや、世間から孤立しないようにすることなどが大切であると存じます。このため京都府におきましては、保健所において広く心身の健康相談に応じるとともに、精神保健福祉総合センターに「こころの相談電話」を設けまして、精神科医や臨床心理士などの専門の職員を配置して、心に悩みのある方の心理上のケアなどを行っているところでございます。  民間におきましては、先ほど御紹介されましたように、例えば社会福祉法人の「京都いのちの電話」において、ボランティアの相談員の皆さんが24時間、年中無休でさまざまな悩みを辛抱強く聞かれる中で、心と心をつなぎ、自殺に至るのを防ぐなど、大きな役割を果たしていただいておりまして、こうしたとうとい活動に対しまして心から敬意を表しますとともに、行政といたしましても、今後とも積極的な支援を行ってまいりたいと存じております。  また、国におきましては、来年度から新たに全国各地の「いのちの電話」を中心とした関係機関などによる自殺防止ネットワーク構築を初め、労働者の自殺防止マニュアルの作成や試験研究機関などでの自殺に関する調査研究なども進められていると伺っております。  今後、こうした研究の成果なども生かしながら、府民一人一人の命を大切にする施策の推進に努力をしてまいりたいと考えております。 12: ◯議長小牧誠一郎君) 武田教育長。    〔教育長武田盛治君登壇〕 13: ◯教育長武田盛治君) 大橋議員の御質問にお答えいたします。  幼児教育に視点を置いた子育て支援策についてでありますが、すべての教育の原点は家庭教育であり、小学校入学までの幼児期における家庭の役割や親のかかわりがその後の子供の成長にとって極めて重要であると考えております。府教育委員会といたしましては、この時期における子育て支援として、現在、市町村教育委員会の協力を得ながら、父親の家庭教育への参加促進や、親同士あるいは親子が触れ合う機会や場の提供など、地域でのネットワークづくりを進めるとともに、子育てに悩む親を対象にしました相談活動を行うなど、各種施策を展開しているところであります。  また、議員御指摘のとおり、深刻な少子化の傾向や青少年問題の現状を見ますと、今後、より一層幼児教育に視点を置きました子育て支援の効果的な取り組みが必要であると考えておりまして、来年度につきましては、家庭教育の相談機能を一層充実していくとともに、乳幼児や就学前の子供を持つ親を対象にしました就学時健診や母子保健活動等の機会を活用しました「子育て講座」をすべての市町村で開催する予定であります。  府教育委員会といたしましては、今後とも市町村教育委員会等と緊密に連携しながら、幼児期からの子育て支援策を一層充実してまいりたいと考えております。 14: ◯議長小牧誠一郎君) 芦刈警察本部長。    〔警察本部長芦刈勝治君登壇〕 15: ◯警察本部長芦刈勝治君) 大橋議員の御質問にお答えいたします。  まず交通事故防止対策でありますけれども、昨年は秋から年末にかけまして交通死亡事故が激増いたしましたことから、組織の総力を挙げて緊急特別対策等に取り組みましたが、年間死者が 181人を数えまして、第6次京都府交通安全計画の 180人以下という抑止目標が達成できなかったことはまことに残念でありますとともに、重く受けとめております。そのため、本年は年初から減少基調を堅持していくとの強い決意のもと、諸対策の強化・推進に努めているところであります。  具体的には、道路管理者と連携した積雪・路面凍結に伴う交通事故防止対策を初め、飲酒運転等死亡事故に直結する悪質・危険な交通違反取り締まりの強化、安全を重視した交通規制の実施や信号機等交通安全施設の整備のほか、運転免許処分者講習における交通事故被害者の遺族の方による特別講話の導入等の取り組みも行っております。  昨日現在の府内における交通事故の発生状況でありますが、死者数は対前年比で9人減の27人となっております。一方、発生件数や負傷者数が依然増加傾向にあるなど、厳しい状況にあります。  当府警察といたしましては、引き続き関係機関等と連携の上、事故実態等を踏まえた効果的な諸対策を強化・推進するとともに、地域総ぐるみで交通事故を防止するため、各自治体に対し諸施策の一層の推進を働きかけるなど、総合的な交通事故防止対策に全力で取り組んでまいる所存であります。  次に、自殺者の状況等についてでありますが、平成12年中に取り扱った自殺者の総数は 696人でありまして、前年に比べて26人の増加となっております。統計をとり始めた昭和53年以降、最も多い自殺者の数となっております。  この内訳でありますが、年齢別では50歳代が最も多く、全体の32.2%を占めており、以下60歳以上の高齢者、続いて40歳代、20歳代などとなっております。また、自殺の原因は個別的かつ複合的でありますが、警察が推定した原因動機別の分類で見ますと、健康問題が最も多く全体の31.0%を占め、以下、経済・生活問題が23.1%、家庭問題10.3%などとなっております。  警察としての対策につきましては、自殺のおそれのある家出人捜索願を受理した場合における発見保護活動や、警察安全相談を受理した場合、例えば、病気や多額の負債等に関する相談について適切な解決策の教示や、悩みを持つ方に対しては必要に応じて臨床心理士によるアドバイス、その他、巡回連絡等の日常活動を通じて、そのような悩みを持っておられる方の把握と的確な対応など、この種事案の防止に努めているところであります。  今後とも、このような各種の警察活動を通じて的確に対処してまいりたいと考えております。 16: ◯議長小牧誠一郎君) この際、暫時休憩いたします。    午後3時26分 休憩         ───────────────────    午後3時53分 再開 17: ◯議長小牧誠一郎君) 休憩前に引き続き会議を行います。  次に、林田洋君に発言を許します。林田洋君。    〔林田洋君登壇〕(拍手) 18: ◯林田洋君 自由民主党の林田洋でございます。私は、自由民主党を代表して、この新しい21世紀冒頭の、しかも平成13年度京都府当初予算案等につきまして議論・審議が行われます重要な2月府議会定例会に質問の機会を与えていただきました諸先輩、同志の皆様に感謝を申し上げる次第でございます。  荒巻知事におかれましては、バブル崩壊後の厳しい社会経済情勢のもとで、また、厳しい京都府の財政状況の中で、おくれをとってまいりました京都府の産業基盤の整備を初め、府民の皆様が日夜安心して生活できるための福祉・医療施策の推進、まさに「安心・安全、公正・公平、府域の均衡ある発展」に大変な努力をしていただきました。20世紀の総仕上げをしていただき、本当にありがとうございます。21世紀を迎えましても、京都府を取り巻く環境は依然厳しいものがございます。しかしながら、こうした厳しくつらい状況にあって、やらねばならないことが山積している中で、新しい世紀の方向づけとなります「新京都府総合計画」が策定され、いよいよスタートするのでございます。この計画に基づき編成されました今回の予算案は、「財政」「産業」「保健福祉・医療」「教育」など、あらゆる分野においてこの新しい21世紀の冒頭、10年間の取り組み方向のシーズ(種子)がちりばめられており、荒巻知事の21世紀にかける熱い思いがこもっているものと考えるのでございます。  こうした評価に立ちまして、私は、荒巻知事並びに関係理事者に対しまして、6点につきまして御質問いたしたいと存じます。  まず最初に、京都府の財政運営についてお尋ねいたします。  今回提案されております当初予算案は、新しい世紀の方向を決定するという意味合いから、まことに意義深く、かつ重要と考えるのでございます。その内容を見てみますと、極めて厳しい財政状況にあって、引き締めに懸命に取り組まれている一方、21世紀の京都府づくりに向けた数々の新規施策が盛り込まれており、まさに多くの府民の期待に沿った内容と評価するものでございます。前年度を下回る緊縮型予算案を提案されている府県が少なからず見受けられる中で、前年度を上回る予算規模を確保されたことは、21世紀にふさわしい京都府づくりに積極的に取り組んでいこうとされる荒巻知事の強い決意を感じるものでございます。歳入面では、府税収入が 2,830億円と前年度より増加いたしてはおりますが、ピーク時の平成3年度と比較しますと約 600億円の減となっております。一方、財政調整基金を初めとする各種基金につきましても、活用する余地のないといった状況を考えますと、本府の財政状況は、引き続き極めて深刻な状況下にあると言わねばなりません。  こうした中、荒巻知事におかれては、依然として厳しい府内の経済情勢を踏まえ、緊急不況・雇用対策、介護保険を初めとする保健福祉対策の推進、京都産業創生のための産業基盤強化対策、「環境先進地・京都」を目指した環境対策、さらには社会資本の整備やIT化施策の推進など、あらゆる分野にわたり府民要望に的確にこたえ得る施策をきめ細やかに盛り込まれました。今回の予算案は、危機的な財政状況の中、抑制すべきは抑制を徹底し、21世紀の重要課題には積極果敢に取り組むというめり張りのきいた予算案と言えましょう。まさに荒巻知事の長年の行政経験と卓越した行政手腕が発揮され、結実したものと、我が自由民主党議員団といたしまして高く評価するものでございます。  こうした施策をしっかりと芽吹かせ、根づかせ、大きく育てていくためには、より大きなエネルギー、つまりしっかりとした予算的裏打ちが求められてまいります。しかしながら、一方では、本府財政が依然として極めて厳しい状況にあることも直視しなければなりません。こうしたことを踏まえますと、今後、財政健全化の取り組みを強力に推し進め、その健全化を図っていくことがこれまで以上に府政の重要課題となってくると考えるのでございます。  そこで、荒巻知事にお伺いいたします。引き続き厳しい財政状況が続く中、21世紀にふさわしい京都府づくりを進めていくためには避けて通ることができない財政健全化に対し、今後どのような方針で取り組んでいかれるのか。私は、特に事務事業の効率化、組織や職員定数などの見直しを柱とするさらなる内部改革を断固たる決意で進めていくことが肝要と考えるのでございますが、どのようにお考えか。  また、本府の財政状況の好転には、何と申しましても自主財源の根幹をなします府税収入の本格的な回復が期待されるところであります。今回の当初予算案では、府税収入が前年をわずかながら上回っており、ようやく明るい兆しが見えてきたのかと期待を寄せておりますが、本年度及び来年度におきます税収の見通しにつきましてもお伺いいたしたいと存じます。  次に、「むすびあい、ともにひらく新世紀・京都」を基本理念として策定されました「新京都府総合計画」について、お尋ねいたします。  この新しい計画は、新しい世紀、21世紀の初頭10年間の京都府の指針となるものでありますが、去る2月15日、この計画を広く府民の方々に紹介するためのシンポジウムが、京都リサーチパーク内施設を主会場とし、北部・南部会場とをテレビ電話でネットするという斬新な方法で開催されたのでございます。  私も主会場で傍聴させていただいたのでございますが、荒巻知事からは、時代の流れを読み切り、新たな課題に対しては府民一人一人はもとより、企業を初めあらゆる団体、組織がともに機能を果たしていくこと、すなわち「協働する」こと、そのためにはいわゆるネットワークづくり、つまり「むすびあう」ことにより乗り切ることが必要とあいさつされたのであります。  また、この計画策定に際し中心的役割を果たされた西島先生の基調講演では、新しい世紀には新しい創造が必要であり、府民全員がそのことを考え、一丸となって取り組むことが大切であること。そのためには、時代認識に立脚し、画一的総合ではなく、多様性を持った総合のエネルギーが必要であること。新しい時代の創生には、変革を行える意志と勇気と希望と情熱が必要であること。人の生活の営みやあらゆる社会活動は自然形態の一部であり、文化・文明の視点が重要であること。時代を超えた価値観を有する京都の特性を認識し、新しい創造の中でもこうした意識の確立が必要であること。そのためには、信念、思想、哲学が必要であり、みずからの自信の涵養が大切であることについて説かれたのであります。  私は、21世紀は多様な価値観に基づく多様な生き方が求められ、認知されるなど、さまざまな可能性が高まる一方で、みずからの生き方に対する責任と義務が従前以上に求められる時代となると考えております。そこには、豊かな個性と創造性に立脚し、多様な可能性を希求し、果敢に挑戦する「人」の存在が極めて重要となろうと考えるのでございます。今世紀はそれほど一人一人の人間が重要視され光が当たる「人が輝く世紀」であると考えるのでございます。しかしながら、物質的な豊かさを追求し成熟する現代社会の中で、これからの時代を担う青少年による凶悪犯罪の多発や、学校におけるいじめや不登校の問題、家庭での児童虐待など、青少年をめぐる問題が深刻化していることも事実であります。  これからの時代は、こうした若い人たち一人一人が自分の個性や才能を伸ばし、夢と希望を持ってさまざまな可能性に挑戦していくことができる社会の構築を目指す必要があります。こうした青少年の問題は大人社会の現状を反映するものでもあり、子供から大人までのあらゆる人がそれぞれの能力を存分に発揮し、自己実現を図るための環境整備をいかに進めていくかが21世紀における最も重要な課題であると認識するのでございます。  昨年末に策定され、まさに新しい21世紀のスタートに合わせた「新京都府総合計画」は、おくれをとってきた京都府の社会基盤整備を「第4次京都府総合開発計画」により着実に進めてきたという大きな成果に立脚し、21世紀においても府民一人一人が夢を持ち、生き生きと暮らせる京都府を築いていくための根幹をなす重要な計画であります。この計画は「人」に光を当てた、時代にかなう内容となっており、高く評価するとともに、計画の実現を大いに期待するとともに、私も荒巻知事ともども、まさしく「協働」して新しい豊かな京都府を築いていくために邁進したいと存じております。  しかし一方、この計画を推進していくための財政基盤は甚だ厳しい状況にあると言わなければならないわけでございます。こうした状況下にあっても、21世紀を希望にあふれる時代としていくためには、当初の10年間のスタートダッシュが肝要であり、時代にかなった仕掛けが今こそ求められていると考えるのでございます。この仕掛けに関して、私は次の2つの視点を申し上げたいと存じます。  まず第1に、「むすびあい、ともにひらく新世紀・京都」という基本理念を掲げ、人と人、地域と地域などさまざまなものを結び合う中で計画を進めていくためには、計画策定過程と同様に、推進の過程においても府民総参加を求めていくことが重要であろうと考えるのでございます。夢と希望を持つ一人一人の府民の参加と協働によりまして、初めて新府総が目指す京都府の将来像の実現が可能となると考えるものでございます。  第2に、京都府行政自身においても、21世紀にふさわしい全庁を挙げたこの計画の推進システムが必要と考えております。変化の激しい時代にあって、目まぐるしく変わる社会経済情勢に的確に対応しつつ、新府総の示すビジョンを確実に実現していくためには、府民総参加による計画推進と的確かつ重点的な行政施策展開が必要であり、そのための推進システムが必要と考えるのでございます。個々の事務事業に対する評価システムも一方で始められようとしている中で、これらと連動しつつ、計画の進捗状況を正確に把握し、時代変化も見据えながら、計画を円滑に進めることができるように、予算や人を重点的に配分・配置するなど、時代に合っためり張りのきいた行政運営が必要と考えるのでございます。  そこで、まずお伺いいたします。府民総参加による新府総の推進については、早速2月15日にシンポジウムが開催され、計画の周知が行われましたが、この取り組みをも含め、今後の取り組みについてお聞かせください。  また、全庁を挙げた新しい計画の推進システムづくりについてはどのようにお考えか。新年度の予算措置等をも含め、荒巻知事の今後の取り組み方針をお伺いいたします。  次に、基本計画第2章では、具体的施策が盛り込まれているのでございますが、京都迎賓館の活用が位置づけられております。  御案内のように、京都迎賓館につきましては、先日招集されました通常国会に提案されております新年度の政府予算案におきまして、初年度分となります本体建設費約10億円を初め、和風庭園の設計費、環境調査の経費など、合計20億 8,200万円が盛り込まれていると伺っております。一方、地元といたしましては、都市計画案の縦覧から都市計画審議会での審議を経て、告示までの一連の手続を京都府・京都市ともども完了し、建設予定地の埋蔵文化財調査につきましてもほぼ完了するなど、来年度の本格着工に向けて着々とその準備が進められているところであります。平安建都1200年を記念し、豊かな歴史と伝統にはぐくまれた京都文化を今後も継承、発展させる主軸の事業と位置づけ、平成2年から荒巻知事を先頭に、地元を挙げて要望してまいりました京都迎賓館が、21世紀の幕あけという記念すべき輝かしい年にいよいよ着工されるということは、まことに喜ばしいことであり、多くの府民の方々とともに、一日も早い完成を待ち望むものであります。  ここ京都の地で、世界各国の国公賓の方々に我が国の歴史と文化の真髄に触れていただき、さらなる理解を深めていただくことはもとより、その長い歴史の中で脈々と培ってまいりましたすばらしい文化や自然を世界に向け発信するという、21世紀の京都にとりまして非常に大きな意義を有するものと考えております。この京都迎賓館に地元京都のすぐれた伝統技術・技能を有する職人のわざが生かされ、平成の和風建築を代表するすばらしい施設となりますよう、さらなる取り組みを期待し、要望とするものでございます。  次に、京都産業の活性化につきましてお尋ねいたします。  バブルの崩壊とともに始まった20世紀最後の10年間は、土地・株価の暴落により、もたれ合いや信用システムの収縮をもたらし、さらには経済の国際化、グローバル化、情報化、少子・高齢化が急速に進み、従来型の日本経済システムや産業構造が行き詰まり、多くの企業の倒産と雇用の減少を伴うという、戦後最悪と言われる未曾有の不況をもたらしたのでございます。  こうした中で、京都経済も同様に長期の低迷が続き、中でも和装を初めとする伝統産業、商店街や下請企業などは構造的な需要の減少と消費不振のダブルパンチを受け、かつてない厳しい状況が続いているのであります。一方では、物づくりの基盤となる工場の流出や金融機関の経営破綻が地域経済や雇用に深刻な影を落とし、経済の活力のバロメーターとも言うべき事業所の開業率も低水準で横ばいが続いており、京都経済の先行きはいまだ楽観できない状況にあります。  この間、京都府におかれましては、不況・雇用対策を府政の最重要課題として、「京都府緊急不況・雇用対策本部会議」のもとに、過去最大規模の 1,000億円の融資枠による「中小企業金融対策」を初め、西陣・友禅・室町・丹後の産地活性化対策や、商店街、観光、機械・金属などの地場産業の振興に全力で取り組まれ、また、一方で伝統産業に携わる職人さんの仕事づくりなど、創意工夫を凝らした京都らしい対策をもあわせ積極的に行ってこられたのでございます。また、日産車体京都工場の縮小や京都みやこ、南京都両信用金庫の事業譲渡、さらには相次ぐ倒産に揺れた和装業界の構造改善などの緊急の課題に対しても、直ちに対策連絡会議を設置し、関係機関が連携し、迅速かつ最大級の対応をされてまいりました。私は、荒巻知事を初め行政のこれらの取り組みに対し、感謝と高い評価をするものでございます。  こうした取り組みの結果、京都経済が最悪の状況から脱却し、情報通信技術関連産業の拡大という追い風によりまして、景気の緩やかな回復を真に期待するものでございます。私は、新しい世紀が幕をあけた今こそ、京都経済再生への道筋を確かなものとするために、京都独自の明確な産業戦略を打ち立て、産・学・官の連携を一層強化し、総力を挙げてたくましい京都産業の構築に取り組む必要を感じるのでございます。  そこで、荒巻知事にお伺いいたします。IT革命の進展など、社会経済情勢が大きく変化を遂げつつある激動の時代にあって、京都経済の活性化を図るために、どのようなプランを持ち、実現しようとお考えか、御所見をお聞かせください。  また、和装振興についてでありますが、私の地元西陣を初め、室町・友禅・丹後の和装産地では依然として出口の見えない厳しい状況が続き、ライフスタイルの変化や長引く消費の低迷により、和装需要そのものが減少の一途をたどり、先般の新聞報道にもありましたように、2000年の西陣織の出荷額は約 890億円で11年連続の前年割れ、また、1兆 5,000億円近かった室町問屋の出荷額も、最近では 5,000億円を割り込むまでに減少しております。  しかし、和装業界は今なお京都にとりまして欠くことのできない重要な基幹産業であり、和装を含む繊維産業だけをとってみましても、事業所数で府内製造業の約半分、従業員数で約5分の1を占めるとともに、何よりもここに蓄積されたわざや文化は、京都のみならず、我が国全体の貴重な財産であり、これらを次なる時代にしっかりと継承していくことは、私たち京都人の重大な責務と考えるものでございます。  そのため、府民の代表である府議会議員みずからが率先して着物を着て、そのすばらしさを多くの方々に訴えていこうということで、本日は私自身も含め多くの議員が着物を着て本会議に臨むことといたしました。荒巻知事を初め関係理事者の皆様におかれても趣旨を御理解いただき、着物姿で出席をいただいておりますが、こうして着物を着てみますと、改めて何世代にもわたってはぐくまれてまいりました伝統文化のすばらしさを実感いたしているところであります。  そこで、お尋ねいたします。京都が世界に誇る貴重な財産であります和装産業を守り発展させていくことが、ひいては京都全体の産業を守り、雇用を守り、さらに日本の大切な文化を守っていくことにつながると考えるのでございますが、御所見をお伺いいたしたいと存じます。  次に、IT(情報通信技術)の推進についてお伺いいたします。  科学技術が急速に進歩した20世紀、そして21世紀の両世紀にかけて出現してまいりました世界的規模で進行するIT革命は、情報通信技術の飛躍的な発展を約束しており、18世紀に英国で興った産業革命と並び評されております。  IT革命は、インターネットを中心に進歩し、情報・流通部門での費用と時間を劇的に低下させ、国境を越えるという広いエリアにおける高密度の情報のやりとりを容易にし、人と人との関係、人と組織との関係、人と社会との関係を一変させたのでございます。その結果、世界は知識創造型社会へと急速に移行し、ブームによる過熱的傾向ではないかとの指摘も一部にはあるものの、社会の効率化、利便性の向上などにより、その流れはとまらず、この傾向は一段と強まりつつあるというのが現状でございます。  IT革命が社会変革の新しい波として私たちの日常生活にも大きな影響を及ぼしつつある中で、だれもがITの恩恵を受け、豊かさを実感できる社会環境づくりを進めることが求められており、これらに対応した環境整備を進めることが、京都府の今日的な重要課題であると考えるのでございます。  国におきましては、IT革命推進に向けた施策を総合的に推進するため、昨年7月「情報通信技術(IT)戦略本部」が設置されるとともに、「IT戦略会議」を設置し、同会議において「IT基本戦略」が取りまとめられ、11月にはIT推進の基本理念を定めた「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)」、さらには民・民間の書面の交付・手続において電子的手段も認めるという「IT一括法」の成立を見たのでございます。加えて、すべての行政手続を電子化する電子政府が平成15年に実現することが明らかにされており、地方自治体のIT化についても、国が積極的に取り組むという方針が打ち出されたのでございます。  京都府におかれましても、新総合計画におきまして、「むすび合うネットワーク」創造プロジェクトにおいて「ITの京(みやこ)づくり」が提示され、IT化の推進を重要課題の一つに位置づけ、積極的に推進するとされており、新年度予算案にはIT産業の育成や府政のIT化を推進するための予算が計上されており、今後の施策展開に大きな期待が寄せられているのでございます。私は、府民の生活の立場から、府民の方々が京都府に対して申請や届け出などを行う場合、関係機関に出向くことなくその事務が行える電子申請や電子納税などが可能となる「電子府庁」の実現に向けた行政事務のIT化を促進することが必要と考えるのでございます。また、その推進に当たりましては、京都府のみの取り組みでは不十分であり、市町村とも十分連携した、まさに「むすび」の観点からの取り組みが重要と考えるのでございます。  そこで、お伺いいたします。ITにかかわります課題は府政全般に及ぶものであり、京都府全体で組織を挙げて取り組みを進める姿勢が大切と考えるのでございます。さらに、行政事務の効率化を進め府民サービスの向上を図るためにも、府政のIT化、電子府庁化を進める必要があると考えるのでございますが、その方向に向け、今後どのように取り組みを進めていかれるのか、荒巻知事の御所見をお伺いいたします。  また、情報通信技術に順応できる人、できない人の格差を解消し、広範な方々が日常的にITの成果と果実を等しく享受できる京都府社会の実現を目指す必要があろうかと考えます。特に、配慮が必要なことの一例として、障害のある方々にどのようにしてITになれ親しんでいただくかということも課題の一つと考えるのでございます。これまで、情報の入手や発信、移動やコミュニケーションという点でのハンディキャップからさまざまな不自由をされてこられた障害者の方々にとりまして、ITこそはネットワークをうまく使い行動できるという、またとない機会であろうと考えるのでございます。  そこで、お伺いいたします。障害のある方々の社会活動を促進し、豊かで自立した暮らしを実現する上で、情報技術を身につけ、使いこなしていかれることは極めて重要なことと考えるのでございますが、昨年の12月府議会におきまして、我が党の前波議員の質問に対し、荒巻知事は「高齢者や障害のある方々を対象としてIT講習会の実施を検討していく」と答弁されたのでございますが、今後障害者の方々に配慮したITの環境整備をどのように進めていこうとされているのか、講習会の実施も含め、お尋ねいたしたいと存じます。  次に、環境対策につきましてお尋ねいたします。  私は、緑豊かな自然やきれいな空気・水といった豊かな環境を将来に引き継ぐ努力をすることは、今を生きる私たちの重大な使命であり、重要な責務であり、また課題であると考えるのでございます。とりわけ、21世紀は環境の世紀と言われております。国におきましては、自然との共生や地球環境問題に対する意識の高まりという時代認識のもとで環境省が創設され、今後の取り組みに大きな期待が寄せられているのでございます。一方、地方行政におきましても、環境問題への取り組みは地域における住民の意識の高まりを背景に積極的な取り組みが求められているのでございます。  京都府におかれましても、新総合計画に多様な環境施策が掲げられ、これらを確実に進めるための戦略として、循環型社会システムの形成を柱とする「京と地球(アース)の共生社会」創造プロジェクトを示し、「環境先進地を目指す」とされているのであります。こうした考え方に立脚した新年度の特色ある環境関連予算は、各界各層の多くの府民の皆様から大きな期待と信頼が寄せられているのでございます。しかし、環境行政を取り巻く情勢は、廃棄物適正処理、リサイクルの推進、不法投棄対策など、環境侵害への厳しい対応、京都議定書の発効をめぐる国際的な動きや二酸化炭素削減に向けた国内対策の動向などまことに厳しいものがあり、本府が果たすべき役割もますます重要となってきております。
     そこで、お伺いいたします。まず平成13年度当初予算案には、京都府の持つ環境課題を踏まえ、特色ある内容が盛り込まれておりますが、21世紀初頭における京都府の環境施策の基本方向について、荒巻知事の御所見をお伺いいたします。  さらに、循環型社会の実現など、人と自然が共生する社会づくりを推進していくためには、府民一人一人の環境保全に向けた理解と具体的な行動が重要であろうと考えるのでございますが、知事として、この豊かな環境をともに守り育てていくという視点から、あまねく府民の皆様に期待されているものは何か、また、新府総のもとで策定されようとしている「循環型社会形成計画」は全国に先駆けたものと伺っておりますが、どういった内容のものなのか、あわせてお伺いいたします。  また、環境負荷の少ない循環社会を構築していくための大きな課題として、廃棄物の適正処理問題があります。府内の市町村や一部事務組合では、平成11年に策定されました「京都府ごみ処理広域化計画」に基づき、ごみ処理施設の広域整備やダイオキシン対策が進められておりますが、焼却施設を新設するためには、まず既存の施設を解体撤去することが必要であり、昨年、大阪府能勢町のごみ処理施設解体工事において発生しました解体に伴うダイオキシン問題を契機として、労働省から厳しい解体基準を定めた通知が出されたことによりまして、解体に従事する作業員の健康や周辺の環境を守るとともに、解体撤去費の著しい増大をもたらしたという現状がございます。こうした新たな財政負担については、国庫補助による財政的支援はないのでありますが、そのような中で、京都府は市町村の財政負担に任せるだけでなく、「ごみ処理施設ダイオキシン特別対策補助金」として、全国に先駆けて府単独による財政支援に踏み切られたことを高く評価するものでございます。今後とも、分別収集の促進やごみ処理広域化計画に基づく施設整備の促進など、市町村における廃棄物の適正処理がさらに進みますよう、引き続き助言や支援を要望いたすものでございます。  最後に、教育問題についてでございますが、特に高校教育についてお尋ねいたします。  教育を取り巻く環境、特に少子化の進行の中で、生徒の個性化・多様化に対応すべく、本府の教育委員会におきまして、今後の高校教育のあり方に関して審議するため「府立学校の在り方懇話会」が設置されておりますことは御案内のとおりでございます。その懇話会から昨年12月に、生徒の個性化・多様化対応として、総合学科の増設を初め、定時制への柔軟なシステムの導入、中高一貫教育の導入などによる特色ある学校づくり、ITや産業構造の変化に対応した専門学科の充実、さらに特色ある学校を選択できる選抜方法や通学区域のあり方などについて検討すべきとの「中間まとめ」がされたのでございます。この「中間まとめ」に対しまして、昨年12月の定例会におきまして、我が党の植田議員からも、今後の高校の再編整備に向けて引き続き協議が進められることは時宜を得た内容であり、高く評価するとともに、「最終まとめ」を待つことなく、できるところから改善すべきとの指摘があったところであります。  一方、国におきましては、教育改革国民会議の提言を踏まえ、今後の教育改革の取り組みの全体像を示すものとして、文部科学省が「21世紀教育新生プラン」を発表し、中でも重要戦略を7つにまとめたものを「レインボープラン」として広く公表されたのであります。  このような状況を考えますと、今後、教育改革が急テンポで進むことが予想され、本府といたしましても、「中間まとめ」の具体的施策化を急ぐ必要があると考えるものでございます。  私は、昭和60年の高校教育制度の改善以降、学科の改編や入試制度の変更など、今日まで京都の高校教育を進められてきた方向に対しまして評価を送りつつも、懇話会が提唱された「中間まとめ」の内容、さらには新しい教育システム導入には府民や教育関係者からの大きな反応も予測されるところであり、理解を得るためには相当な努力と労力が必要と考えるものでございます。  そこで、教育長にお伺いいたします。「中間まとめ」の発表以降、府民や関係者に対しどのように周知を行い、また、教育関係者を初めとする方々からはどのような反応や意見があったのか、お聞かせください。  また、その具現化の第一歩として、単位制高校における「2学期制の導入」等につきまして「具体的に検討に取りかかる」とのことであり、今議会にも関係条例の改正案が提案されるなど、意気込みが感じられるものであります。  2学期制につきましては、従来の3学期制に比べると、始業式や終業式、中間試験、期末試験の回数が少なくなり、このことによる時間的な「ゆとり」を教科の基礎・基本の徹底に充てたり、興味・関心のあることをさらに深めるために使えるなど、ゆとりある教育活動ができたり、個性・能力の伸長を図る上で効果的と評価するものでありますが、その導入についてのメリット及び準備の状況について、あわせお尋ねします。  「中間まとめ」には、このほかにも早急に検討を進めるべき課題も数多くありますが、高校教育の一層の充実のため、こうした課題に積極的かつ精力的に取り組みを進めていただくことを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 19: ◯議長小牧誠一郎君) 荒巻知事。    〔知事荒巻禎一君登壇〕 20: ◯知事荒巻禎一君) 林田議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、平成13年度当初予算に対しまして御丁重に高い評価をいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  まず、今後の財政運営についてでありますが、新世紀にふさわしい魅力ある京都府づくりを進めていくためには、現下の財政危機の克服に向けて、財政の健全化を確実に、計画的に進めていくことが不可欠であると考えております。このためには、まず第1に、徹底した内部努力に取り組むことが重要であると認識をしておりまして、私を初め三役の給与や管理職手当の減額措置を継続することとし、関係条例案を今議会にお願いしているところでございます。また、全職員の昇給延伸措置につきましても、その効果を継続してまいりたいと考えております。さらに、定数削減につきましては、第2次の新しい行政推進大綱に基づき計画的に取り組んでおりまして、これまでの 520人の削減に加えて、来年度分におきましても、教職員改善分を別にいたしまして、約 260人の定数が削減できる見通しとなったところでございます。  平成13年度当初予算の編成に当たりましては、こうした内部改革とあわせて、あらゆる財源の確保、社会経済情勢の変化や府民ニーズを踏まえた施策の点検・見直しに努めながら、「新京都府総合計画」に基づく施策の推進に向けて財源の重点的な配分を行ったところでございます。今後さらに、地方振興局を初め、12ブロックごとに配置している地方機関の所管エリアの見直しに取り組むなど、簡素な執行体制の確立や事務事業の見直し、効率化を進める中で、定数削減を推進するとともに、府立医科大学附属病院、府立病院の経営改善、外郭団体の見直しなど、一層の内部改革に努めてまいりたいと考えております。  今年度、平成12年度の府税収入の見通しについてでありますが、当初予算におきましては、高金利時代の郵便貯金の満期を見込んだ府民税利子割の増収などにより、前年度決算に比べて 4.9%増の 2,750億円を見込んだところでございますが、この1月末の調定実績では、昨年同期比で9%の増と、これを上回るものとなっております。これは府民税利子割の増収とあわせ、主要税目である法人2税が、全国最高の下落率であった昨年度水準との比較でもありますが、予想以上の伸びを示したことによるものであります。この結果、平成12年度の府税収入は、最終的には当初予算と比べ 140億円程度上回るものと考えております。  新年度、平成13年度の府税収入につきましては、当初予算において対前年当初予算比 2.9%増の 2,830億円を計上しているところでございますが、その内容としては、法人2税はほぼ前年度並みの税収が期待できるものの、府民税利子割の減収が見込まれ、本年度の決算見込みを若干下回るのではないかと考えております。  いずれにしても、府税の状況は、先ほど御指摘いただいたように、過去最高の平成3年度の 3,428億円から見ますと、約 600億円低いという依然低い水準にとどまっておりまして、このような府税を取り巻く厳しい環境を十分認識しながら、今後とも組織を挙げて税収確保に全力を尽くすとともに、財政運営を行ってまいりたいと考えております。  新京都府総合計画についてでありますが、新世紀の幕あけとともに計画書や概要を府民の皆様にお示しいたしまして、私自身もその基本理念についていろいろな場所、いろいろな機会に話をさせていただく中で、新府総の推進による21世紀の京都府づくりがいよいよスタートしたという実感を深めていただきたいと存じております。  さらに、さまざまなメディアを活用して新府総の内容を紹介し、理解を深める取り組みを積極的に展開しているところでございますが、議員から御紹介ございましたシンポジウムもその一環として開催したものであり、当日は小牧議長さん、池本副議長さんを初め、林田議員や府会議員の皆さんにも御出席をいただく中、多くの府民の参加を得まして、また府内北部・南部の会場と三元ネットで、新府総の推進に向けた期待や課題についての活発な意見交換が行われたところでございます。このシンポジウムに関するホームページには半月ほどの間に 7,000件を超えるアクセスがあったほか、当日のインターネットを使ったライブ中継にも 150件を超えるアクセスがあり、会場に直接メールで意見をいただくなど、府民参加の新たな試みとしても有意義な取り組みであったと考えております。  今後は、府民との協働を基本に、小学生や高齢者、さらに産業や福祉など、各世代や各分野を対象に理解を深めるきめ細かな取り組みを一層進めますとともに、住民参加の有効な手法であるワークショップの活用による施策の展開などのモデル的取り組みを推進していきたいと考えております。  また、計画の推進システムとして、新府総で位置づけました7つの創造プロジェクトについて、組織を挙げて全庁的に取り組むことができるよう、予算に「プロジェクト特別枠」を設けまして、新府総元年となる平成13年度予算案には28億円を超える新規事業費を計上させていただいております。こうした事業の実施により、計画を力強く推し進めていく決意でございます。  今後さらに、計画の達成状況などについて府議会に御報告するとともに、広く府民に情報公開し、外部の委員からも意見をいただく中で、府民参加、協働のもと、事務事業評価制度とも連携し、効率的、弾力的な施策展開が行えるよう、仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。  京都迎賓館についての御要望につきましては、十分心して対応させていただきたいと存じます。  京都産業の活性化についてでありますが、21世紀はIT革命が進展する一方で、本物志向や心の豊かさを重視する傾向も強まると言われておりまして、京都の特色を生かすことにより、新たなビジネスチャンスが広がるものと考えております。そのため、平成13年度におきましては、ケータイ関連産業を初め、IT産業の集積を進める「京都ITバザール構想」の推進、府内各地域の特性を生かした戦略的な企業誘致補助金の創設、さらに京都府観光8000万人構想の推進や、和装伝統産業の振興などに取り組んでまいりたいと考えております。こうした中で、関西文化学術研究都市の研究成果を京都産業に活用するとともに、ベンチャー企業を育成するため、けいはんなプラザに設置しておりますインキュベート・ルームを大幅にふやしまして、現在の13室から29室にふやし、入居企業をサポートする職員も常駐することにより「京都府けいはんなベンチャーセンター」としてオープンしてまいりたいと考えております。  また、中小企業に対する経営支援やITバザール構想の推進を効果的、効率的に行うために、京都産業技術振興財団、京都産業情報センター、京都府中小企業振興公社の3団体を統合し、本年4月に「財団法人京都産業21」を設立したいと考えております。この新しい財団につきましては、「京都府産業プラザ」として現在の京都府中小企業総合センターの建物に入居することにより相乗効果を上げ、中小企業の皆さんが気軽に利用しやすい体制をつくってまいる考えであります。  和装産業の振興についてでありますが、本日は21世紀幕あけの府議会に、林田議員を初め、議員の皆様と御一緒に着物で出席させていただいておりまして、また傍聴席には和装関係団体の皆様の和装のお姿も拝見しながら、和装産業の振興への決意を一層新たにしているところでございます。  相次ぐ企業の倒産など、大変厳しい状況にある和装産業界を守り発展させるために、京都府ではこれまでから西陣・友禅・丹後・室町などの業界と力を合わせ、京都市との府市協調や地元町との協力により、需要の開拓、新商品の開発、職人さんの仕事づくり等に鋭意取り組んできたところでございます。平成13年度におきましても、昨年度から進めております「伝統産業『京の職人さん』雇用創出事業」をさらに幅広く実施することによりまして、職人さんの仕事づくりを進めてまいりたいと存じております。  また、職人さんを激励し、府民の皆さんや観光客に和装伝統産業のすばらしさを体験していただくことにより、観光と結びついた産地の振興を図るために、京都らしさがあふれる東山一帯をパビリオンに見立てまして、社寺、工房、商店街などと連携して、「21世紀を開く京の職人衆フェスティバル」を開催したいと考えております。  さらに、消費者が適正な価格や品質の着物を安心して買えるように、取引改革の取り組みが進められておりまして、一昨日、奄美大島で開催されました第5回きものサミットにおいて、京都の業界からの提言を受けまして、全国の和装業界としてその推進に取り組むとの宣言が行われたところでございます。  京都府といたしましても、昨年創設した和装産業取引改善等特別融資──融資限度額府市合わせて4億円の活用や、また西陣織・京友禅等産地活性化基金──基金規模として 100億円相当のものを積極的に活用することにより、こうした画期的な取り組みが一層進むよう支援をしてまいりたいと考えております。  ITの推進についてでありますが、新京都府総合計画におきましては、人と人、地域と地域などがしっかりと心と心で結び合い、支え合いながら、府民一人一人が生き生きと暮らせる社会づくりを目指しております。その実現のためには、ITを活用したネットワークづくりが欠かせないとの思いでありまして、「むすび合うネットワーク」創造プロジェクトにおける「ITの京(みやこ)づくり」を推進していくことといたしております。このため、昨年11月に設置いたしました京都府IT推進本部におきまして、府域のIT化の方策について検討を進め、産業、教育、保健福祉など、幅広い分野においてIT施策の推進が図られますよう、京都府を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  また、電子府庁の推進につきましては、市町村のIT化への支援も十分念頭に置きながら、京都府全体として行政事務・事業のIT化を進め、電子申請を初めとする各種施策を実現し、府民サービスの向上を図ってまいりたいと考えております。  次に、障害者にかかわるIT施策についてでありますが、議員御指摘のとおり、ITは障害のある方々が積極的に社会参加を行い、自立した生活を実現していく上で大変有効なものであると考えております。  京都府におきましては、現在市町村とも連携して、画面の文字を音声に変えるパソコンなど、障害者が使いやすいソフトを備えた情報機器を障害者施設に配備する取り組みを進めております。また、平成13年度におきましても、特に重度の障害者の方が使いこなせるよう、大型キーボードなどを購入する際の助成を行う情報バリアフリー化支援事業に積極的に取り組むことといたしておりまして、必要な予算を今議会にお願いしているところであります。また、IT講習会につきましても、障害がある方々に積極的に参加いただけますよう、バリアフリー会場への案内や配席面での配慮などを行っておりまして、さらに13年度は、機器や講習方法に特に配慮が必要な障害のある方々を対象としたIT講習会の実施に向けて、現在準備を進めているところであります。  今後とも、府民だれもがITに親しみ、ITの成果を享受できる社会の構築を目指して、各種施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。  最後に、環境対策についてでありますが、平成9年の地球温暖化防止京都会議(COP3)の開催と、京都の名を冠した京都議定書の採択は、開催地京都にとりまして大変名誉なことであるとともに、地球規模という視点でさまざまな環境問題を考え、身近なところから活動することの重要性を一層強く認識させるものでございました。  したがいまして、京都府といたしましては、環境の世紀・21世紀を京都から開くという大いなる気概を持ち、20世紀から引き継がれた負の遺産を21世紀の早い段階で解消し、将来にわたって持続可能な社会の構築に努めていくために、新京都府総合計画に掲げました「京と地球(アース)の共生社会」創造プロジェクトを積極的に推進していくこととしております。府民の皆様には、環境問題と私たちのライフスタイルが大きくかかわっていることを御理解いただき、立場や世代、そして地域を越えて、環境を守り育てるための主体として、ともに行動していただけるよう期待をいたしております。  また、このような観点も踏まえ、御指摘の環境型社会形成計画につきましては、京都府における循環型社会の目指すべき姿やその実現への道筋を明らかにし、廃棄物の減量目標なども定め、府民、事業者、行政の取り組みの指針となる先導的な計画としたいと考えておりまして、京都府環境審議会や府民の皆様の御意見もお聞きしながら、策定を進めてまいりたいと考えております。 21: ◯議長小牧誠一郎君) 武田教育長。    〔教育長武田盛治君登壇〕 22: ◯教育長武田盛治君) 林田議員の御質問にお答えいたします。  府立学校の在り方懇話会についてでありますが、中間まとめを受けて以来、府教育委員会のホームページや広報紙「府民だより」への掲載や府教委広報の臨時号19万部を発行し、保護者を含め、情報提供に努めてきているところでございます。Eメールでの御意見を含め、現在ホームページへのアクセスが約 4,000件にも上っているところでございます。また、各PTAの組織を初め、市町村の教育関係者などへはそれぞれにその内容を説明し、懇談を重ね、御意見を賜っているところでございます。  御意見の一部を紹介させていただきますと、「行きたい学校を選びたい」「入試制度をもっとわかりやすくしてほしい」「通学圏を広げてはどうか」「子供たちが少なくなる中では高校の統廃合も必要ではないか」と、非常に幅広い項目について、多くは必要な改善を含めまして建設的な御意見をいただいているところでございます。  府教育委員会といたしましては、これらの意見を懇話会に報告し、13年度の検討項目も含めまして、引き続き協議をいただくことといたしております。  次に、2学期制についてでありますが、特に単位制の高校におきましては、学年制には見られない前期・後期でそれぞれ完結いたします授業が展開でき、単位制の特色を一層生かせるものであります。現在導入を予定しております西宇治高校では、学校行事等の見直しや 100分授業を取り入れるなど、学習内容の高度化、充実を図るための工夫が検討されておりまして、また、久美浜高校では、前期・後期で異なった科目配置など、それぞれの学校の目標に沿った準備をしているところであり、来年度からのスタートに向け、万全を期してまいりたいと考えております。         ─────────────────── 23: ◯議長小牧誠一郎君) 本日はこの程度にとどめ、明2月27日午後1時から本会議を開きますので、御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後4時52分 散会 発言が指定されていません。 ↑ ページの先頭へ...